中野整形外科クリニック

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マッケンジー先生自叙伝:Against the tide 27

今回はランバーロール誕生のおはなし。

当院でもマッケンジーのランバーロール、販売しています。

なんだかセールスっぽくなってしまうのが気が引けて、大々的に売り出すようにはしてませんけどね。

患者さんには、姿勢の重要性を説明するときに、ちょこっと、ランバーロールの話はします。

押し売りにならないように気を付けながら、ですが。

マッケンジー法のみかたで治療を続けている患者さんには、必ず購入してもらいたいくらいの気持ちではいるので、

患者さん全員にプレゼントしてはどうか、などと考えたこともありますが、まあ、うちも慈善事業ではないので、、、。

芯がしっかりしていながらの独特の「フニャッと感」が、なにより座っていて心地よいので、私も自宅では愛用しています。

姿勢と腰痛の関連については私自身も思い当たるところがあります。

新幹線で上京するとき、以前はリクライニングを(後ろのひとを気にしながらも)目いっぱい倒して、だらんと座っていたんですね。

倒せるねんから、倒さな損や、との想いで、、、(損ってなんだ?)

最初は楽な気がするんですが、富士山が見えだす頃から、なんだかもぞもぞしだすわけです。

東京駅で降りようと立ち上がる際には違和感増幅、でも歩いていると元にもどるなあ、、と。

リクライニングを倒さずに座るのは、はじめは堅苦しい気がしながらも、でも東京駅で立ち上がるのが楽だなあと気づいて腰痛と座り姿勢の関係を実感したのでした。

前口上が長くなりました。

では、師匠、どうぞ、、

 

動きによる痛みの変化を知れば知るほど椎間板理論が有効やなあと思えてきて、しゃあないんです。

歪んだりして、結果として起こってきた椎間板のズレや、傷ついて修復された瘢痕組織が、ありふれた腰痛や首の痛みの原因の大部分やないかと思てるんです。

そやけど,それで脊椎がらみの疾患全部が説明できるワケやないですわな。

私の理論が全く役に立たんような症状もありますしね。

痛みのタイプとして、時々ちょっとした痛みがでるだけなんやけど、というようなことを言わはる患者さんらが、毎日何人かはいてはりますねん。

そういう患者さんらにエクセサイズをしてみてもろたとしても、実際、痛みが余計ひどなるようなことはなかったんです。

このたぐいの患者さんで、最初の診療の時に、全く痛みが出んかった人がいたはりました。

2-3日したら、もっかい診せて下さいね、いうことになっていて、その間でも、何か症状で出てくるもんがあったら教えてくださいね、とお願いしてました。

再診の際に、エライ待たせてしもて、20分も椅子に座らせたままの状態にしてしもたんです。

椅子から立ち上がった時に、今、立ったこの動作で痛みがでてるっ、て大声あげはりますねん。

彼の場合、検査として動きを試しているなかでは全く痛みはでてこんかった。

以前、診療が遅れてしもて、予約してる人を2人、いつもより長く待たせてしまうことになってしもたことがありました。

そのときにも2人ともが、この椅子が痛みの原因になっとるのやないか、いうてぼやいてはりましたなぁ。

うちの待合室の椅子は昔のタイプで背もたれがないんです。(脊椎のリハビリやってます、いうとる施設としてはあるまじきことですわ!)

この人が待合室に戻って、さらにもう20分、椅子に座っててもろたら、また痛みが出てくるんやろか、と思て試してもろたんです。

数分座ってもろてただけで、腰の真ん中になんや痛みが出てきよる、言わはりますねん。

椅子に座ってる姿勢をみてみると、腰を曲げてダランと丸まった状態でいてはりますねんな。

結局、腰を前に曲げるのを繰り返したり、曲げ続けていたりするという事と、単に腰を丸めた状態で座りつづけていることは、両者とも腰の下の方を屈曲し続けて痛みを引き起こす、いうことでは同じことやと気ィつきました。

どちらの状況でも、脊柱の椎間板のちょっとしたズレなんかを引き起こす、いうことですわな。

もし長時間腰を丸めた状態で座り続けていると、下の方の椎間板がゆがんだりズレたりしよる、悪い座り姿勢をやめることそのものが腰痛の治療や、いうことやないのんですか。

ダランと腰を丸めて座る癖を止めさせて、正しく座らせる、いう目的で、私はランバ-ロ-ルをデザインしました。

それを腰と椅子の背もたれの間に置くようにしたら、悪い姿勢にはなられへんやろ、思たんです。

市販されてる商品でちょうど良い寸法のモンがなかったですさかい、Joyと私とで、自分らで作りはじめました。

当初はカバ-を伸びるビニ-ル素材としまして、中にはEnd farmにいる羊からとったウ-ルを詰めてました。

Kelvin Chamberのクリニックでの需要もうなぎ登りで、本格的に商品化する事になりました。

NZ Back Foundationで商品を販売して、その売り上げをMechanical Diagnosis and Therapyの研究と教育へあてるようにしましたんや。