中野整形外科クリニック

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マッケンジー先生自叙伝:Against the tide 28

姿勢と腰痛の関係についての考察。

エクセサイズで痛みをなくそうとするだけでは片手落ちで、必ず姿勢の注意を一緒にしていないと、生活の中で症状を、自分でコントロールすることなど出来ません。

痛みをとることだけを主眼におくのではなく、生活そのもの、自分の体の使い方の癖を見直して、「痛みを使いこなす」事を考えよう、

こういうことって、当たり前のことのようですがなかなか広言されていないように思いますが、どうでしょう。

マッケンジー法の特長は、その目指すところが「ただ痛みを取る」のではなく、「痛みの特長、具体的には体を守る警告信号としての役割を活かしながら、痛みに右往左往されない生活を創る」ところにあるということ。

今日のお話はそういうことに関連し、、、ですよね、師匠?、、、では、どうぞ。

 

さて、さらにまだ疑問がありますのんや。

ダランと座っている人らが必ずしも椎間板がズレた状態になっとるかいうと、そうでもないんやないですか?

というのも、どの方向にもなんの痛みもなく充分動かせるんやさかいねぇ。 そやけど、なんで運動の負荷で痛みを誘発できんかったんでしょう?

これは椎間板の問題なんか、はたまた単に椎間板や脊柱の小さな関節を支えとる靱帯が伸ばされすぎたりして生じてくる、いうことなんですやろか?

このような患者さんらでは腰のderangement、ないし椎間板の脱出が起こりかけてる、いうことですやろか?

 

見ていてひらめくような出来事がありました。

ある日、二人の息子らがふざけ合うて、一人が相手の頭にトンカチを押しつけつづけると、その犠牲者から痛みの叫び声があがるようになる。

男の子らの間で昔から連綿と続けられてきた、いわゆるおふざけですわなあ。

正常な関節でも、伸ばされすぎたりするとだんだん痛みが出てくるもので、なんかの損傷があとに残ってしまうようなことはない。

日頃とらないような肢位を、ずっととり続けたあとにのみ痛みが誘発される、いう患者さんなんかでは、こういう事が起こってるんでしょうかなぁ。

私らは、単に姿勢を良うしてればエエだけのハナシやないですか。

 

ここで金言:腰を丸めた姿勢のまま座っとってはあきません、極端な姿勢をとり続けるのもあかんのです、、、それではあなたの腰が悪なるだけですわ。

この痛みが発生する仕組みを患者さんに簡単に説明するために、指を一本、ちょっとした痛みがでる位、いっぱいまで反らし続けてもらうようにしてます。

手を離して反らすのをやめるとすぐに痛みが消えますわな。 これで分からん、いう人はまあ、おりませんでっしゃろ。

これらの問題を“postural syndrome”として、話をすすめさせてもらいます。

 

私は座位姿勢を正すためにback supports(腰枕、腰椎ロール)をデザインしました。

適度なサポ-トがないままで長いこと座ってると、疲れやすく、姿勢もダランとなってしまいますさかいなぁ。

Derangementの状態はエクセサイズで正すことは出来ても、患者さんが腰を丸めてダランと座っていては、すぐに痛みは再発してきよる。

エクセサイズを終えた直後はスッキリ良うなっていても、車やら安楽椅子やらにゆったり座っていたりすると、すぐに痛みがでてきよる、いうのもコレですわな。

 

患者さんらの座る姿勢の習慣について、それでどうなったんかということも含めて記録をつけてみましたんや。

腰痛がある人らの大部分では、長いこと座っていて痛みがひどなる、いう人が多かったんですな。

長う座っとったら、その分だけ腰を丸めるようになってしもてるみたいですわ。

 

ある晩、大きなレストランで食事をしていて周りを見てると、ほとんどのお客さんらがリラックスして座ってはるんですが、まあ例外なく腰を丸めてダランとしたはるなぁ、いうことに気づいたんです。

それ以来、ことあるごとに皆さんがどないな座り方したはるのんか注意して見るようになりました。

くつろいだ状態でいるときに前のめりにダランと座るいうのは、まあ人間のサガみたいなもんやないかと、それが腰痛の原因にもなっとるのですけどなぁ。