中野整形外科クリニック

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伊藤先生のMDT/マッケンジー法臨床実習体験記、一問一答③

Q: Diploma を取得したことで⾃分の治療がどう変わりましたか?

 

以前は、患者様の反応を⾒ながら治療を進めることを、患者様の訴えをbase line にするこ とだと認識していました。

<中の注>MDT/マッケンジー法では、患者さんの状態評価をする場合に、

どういうことに関して変化がみられるか、

その指標となるものをまず設定します。

その指標をbase lineと呼びます。

最初はコンナ状態やったよ、っていうモノがあると、

あとから、どのような変化が起こったのか、を確認できますよね。

患者様が⾃分で感じ取れる変化を指標にすることが基本であることは揺るがないのですが、

はっきりとした改善がないまま停滞している時は、

このまま end range を⽬指して同じ⽅針を継続すべきか、

⽅針を変えるべきか迷うことが少なくありませんでした。

<中の注>MDT/マッケンジー法では、一つの動きをみていく際に、

最終域(end range)まで動かすと、どうなるのか、という所見を大事にしています。

中途半端な動き方では、その反応も良いのか悪いのか定まらないけれど、

end rangeまで動かすと、状態がはっきりしてくる、

ということも少なくないからです。

 

また、患者様に「なんとなくいい気がする」「腕は上がりやすいけど、痛みは残っている」 と⾔われただけで、“あ!Better だ!じゃあ、Derangement だ! “ と、ぬか喜びしていました。

<中の注>Betterな反応がみつかるものがDerangementという分類になります。

それは、状態が比較的短期に変化する病態であることを意味します。

フォローアップ 2 回⽬、3 回⽬に「なんとなくいい気がする」という曖昧な改善しか確認できなくても、Derangement に違いないから end-range をひたすら⽬指そうと、延々と同じ⽅針で介⼊していたと思います。

<中の注>end rangeまでの動きがでていないと、定まった評価につながらないことがありますが、

病状がderangementだろう、との思い込み(derangementであってほしい、というセラピスト側の願い?)から、

end rangeまでの動きがでると、必ずや,はっきりとした良い反応が現れるだろうと期待し、無駄な努力で突き進んでしまって、

結果、よくわからなくなってしまうことがある、、、ということを言われています。

Diploma program を通して、⾃分が MDT 分類をするために必要な情報を得るという明確な⽬的を持って loading strategy を⾏い、ベースラインの変化を引き出し、その変化を MDT 分類の根拠としてリーズニングする姿勢が⾝についたと思います。

<中の注>loading strategyというのはあまり聞かない言葉で、MDT用語でもありません。なかったはず。ないと思うのですが、、、。

strategyだから戦略か、loadingだから、動かしてみて、その反応をみて戦略を立てる、というような意味なのかなと読み流していましたが、ウチの斉藤PTが、これ、どういう意味でしょうねえ、と引っかかる様子だったので、伊藤先生に確認してみました。

「Diploma programの履修中の会話によくでてきていて、いったい何のことだ?としばらく途方に暮れていた」のだそうですが、

結局は「動かしながらアセスメントして、動きによって生じた反応を確認しながらセルフケアにつなげる、MDTそのもの」を指している、と言われていました。

「メカニカルな介入、動かしながら調べる方法、MDTの手法、MDTによる治療プラン、などに言い換えられるかと」、とのコメントもありました。

 

 

第三回はここまで、さらにつづきます。

「中の注」、多すぎ。注釈の方が目立ってしもてるやんか。次から自重します。

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書いた人:伊藤博子先生

編集した人:尼崎市のはずれ、川ひとつ越えるとそこは大阪市西淀川区、の中野整形外科運動器リハビリテーションクリニック 院長 中の