アクリル人工爪:これが現在、私がメインで使っている方法。
爪研究50年!その名も「爪 基礎から臨床まで」という爪診療におけるバイブル本の著者、東禹彦先生が提唱されている方法です。
何かの雑誌でみたのに魅かれて、本を購入、奥付の著者欄に、大阪府堺市で開業、とあったので、これもまた、診療を見学させていただけないでしょうか、と手紙をしたためました。隙あらば皮膚科の診療の技も盗めないか、との思惑(スケベ心)で、3か月ほど通わせていただいてもよいでしょうか、、とも打診したところ、あっさり快諾いただき、週に1回、先生の堺の診療所へ通わせていただきました。
アクリル樹脂の人工爪を作成して爪を先まで伸ばすことによって、変に隆起した爪の周りの皮膚を押し下げるようにする、あとはそのまま伸ばすだけ、というやりかたです。
肉芽ができたりして、痛みの強い嵌入爪が、即日、痛みなくそして、見た目、もともとの爪の形に戻ってしまう、という画期的で、最高の治療方法だと感じているのは、あの頃も、今も。
しかし、世の中にはいろんな意見はあるもので、webを徘徊していて、次のような記事を目にしました。
以下、転記。
私もこのアクリル人工爪法を
陥入爪の優れた治療法
として紹介致したいところなのですが、残念ながらそうはいきません。
東先生の『爪』という本は、他に類書のない極めて優れた医学書であり、私はこの本によって爪医学を学習することができたとさえ言えるくらい貴重なものであるわけなのですが、ことこの「アクリル人工爪法」に関する扱いだけには賛同致しかねるところがあるのです。
私自身は陥入爪に対してこの方法は施行しておりません。
なぜなら、次に挙げるような数々の難点があるからです。
アクリル人工爪法の難点
1.手技がやや難しく習得するのに訓練を要する。
2.時間が長くかかるため、効率が悪く、外来診療に向かない。
3.アクリル樹脂セットに含まれるアクリルモノマーとプライマーにはかなりの悪臭があり、換気をよくする必要がある。また、アクリルモノマーは人体に有害であり、皮膚に大量に付着すると神経障害を起こすことがある。
4.アクリル樹脂セットは、開封すると長期間の保存が困難であり、かなり頻繁に使う状況でないと、使わないうちに劣化して無駄になってしまう。
5.手技に使うフィルムや筆、ヘラなどの用具にアクリル樹脂がついたまま硬化してしまうと除去することができないため、用具が使い捨てになりやすく、非経済的である。
6.陥入爪になった爪の縁は、肉に埋もれて水にふやけていることがほとんどであり、例えプライマーを塗ったとしても、通常の爪に対するほどアクリル樹脂が強力に固着するとは考えられない。
7.アクリル樹脂は硬化すると弾力に乏しいため、例え爪に固着しても指先に力が加わると容易に割れたり脱落したりしやすい。そうなってしまうと、また初めからやり直しになってしまう。
以上のように、アクリル人工爪法には、実際に運用する上での障害が少なからずあるのです。
ただ、この方法には
仕上がりの外観が美しい
という長所もあり、その点では他の治療法よりも優れているのです。ですから、見た目に特にこだわる方にとっては最高の治療法と言えるかも知れません。もし、この方法に熟達していて、日常的に盛んに施行している医療機関であれば、受けるのも決して悪くありません。
引用終わり。
(この項、もひとつ続く)