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マッケンジーな日々・お知らせ

2015.01.10

マッケンジー先生自叙伝:Against the tide 25

Disc model理論みたいなことが本当に起こり得るのか?お前はそれを信じているのか?と、医療関係者からよく訊かれます。

私自身は、disc modelのことを初めて耳にしたとき、

正直、、、聞かなければよかった、と思いました。

マッケンジー法って、そんなこと言いよるんかいな、と。

 

そんなアホなこと、起こるわけあらへんがな、と感じていました、エエ、そうですよ、椎間板が動くやなんて、そんなバカな!

 

でも、実際、雑誌Spineに掲載された論文で、座位で撮像できるMRI(uplight MRI)と背臥位で撮像した通常のMRIとを比較すると、臥位と座位では椎間板、髄核の形が違って描出される、なんてのや、豚の椎間板を使った実験で髄核の位置が、かかっている圧力によって変化するのだ、というような内容の文献を目にすると、やっぱりありえるのかも、と気持ちは傾きますし、なによりマッケンジー法の眼で患者さんに相対して、臨床上でうまくいかないときにdisc modelに返って判断すると、意外に停滞した状況を打破できたりすることもあり、、そんな時には、disc modelというのは、やはり臨床に即して出てきた考え方なのだなと、ひとり納得していたりします。

ということで、マッケンジー法をまったく知らないヒトに説明するときは、

「ある種のFantasyと思ってもらっても良いのですが、臨床を進めていくうえでの指針の一つになりえます」、という微妙な回答をしています。

(あくまで私の考えですので、マッケンジー協会の正式な見解ではありません。)

 

試行錯誤が続くマッケンジー師匠、有名な反らす姿勢のエクセサイズが生まれたわけは、、、?

 

 

 

 

 

開業して5年がたち、患者さんもぎょうさん来てもらえるようになりまして、日々忙しう過ごしておりました。

端のほうが跳ね上げるようになって傾きを調節できるようになっとる治療台は1台しかなかったんで,いつも時間を気にしながら患者さんをやりくりして診療してました。

ある日、新しくこられた方は,持続した伸展でよい結果を出せそうやと感じたんですが,あいにく治療台がふさがってたんで、ふつうの平たい台の上で顔が下にうつむけに寝てもらい、肩の下に手を置くようにして,お尻と脚を台に付けたまま腕立て伏せの姿勢をとってもろたんです。

できる限り一番反りの強い状態のままにしてもらい、下半身は伸ばしたままにしてもろたんです。

スミス氏がとってはった肢位と同じになるように、やけども患者さんが自分の腕の力だけで支えておられるようにしたかったんです。

不都合な点としては、患者さんは長くはその肢位ではおられへん、いうことで、ちゅうのもかなりしんどそうな体勢ですもんね。

 

初めて試さしてもろた患者さんは、上半身を押し上げてた時には痛みは軽うなっとったけど、下ろしたら元に戻った、言うてはりました

それでも繰り返してその運動を続けてもらってますと、反復するごとに痛みは軽なっていきよるらしいですねんね。

何人もの患者さんで試さしてもろて分かってきたんですが、自分で反復して運動してもろてた人が、みんな同じように良うなっていかはるんです。

ほんでまた、端を跳ね上げた形にした治療台をつかった場合のほうが、症状が良うなってることが多かったんです。

時間をかけて、ゆっくり押しつぶすようにしたほうが椎間板内部の組織液循環を改善させるようになるんやないかと私は考えました。

そのために症状も良うなるんやないか、と。

このやり方にて、そんなに時間がかからないうちに、継続した腰痛抑制効果が多数の人たちにみられるんですわ。

患者さんが自分で、自分の症状をなんとかできるようになるヒントがここにあるやないですか。

私は、このやり方を単に“push up”exerciseと呼ぶことにしました。

 

当時、私はまた別の意義深い発見もしてました。

パッと見ィには同じような痛みで、同じように動きが制限されてる患者さんらがいてはりました。

体を前に曲げると下肢の痛みが強うなって、座っていると痛みが最悪や、いうて、特に運転してる時なんかですなぁ。

一方の患者さんは2-3日の治療でみるみる良くなって、もう一方は全く何の反応もないんです。

こら、またどういうわけですのんや?

 

その頃、私は患者さん全員の、動きに対する症状の反応を記録してました、まあ完璧にとはいえませなんだんですけどね。

こんな反応を記録してたいうのは、私が初めてやったんやないですか、時間が経つごとにそれがいかに大事なことなんか実感してますわ。

患者さんに起こる変化を逐一、細大漏らさずに記録していきました。

するとみえてきたことは、人間の筋骨格系統に起こる障害は分類分けしてみると、だいたい3種類に絞られてくるなあ、いうことですわ。

 

以前からの記録を、用紙に記載した反応をまとめて調査してみました。

 

ある患者さんのケ-ス、

下肢の痛みがエクセサイズを続けると腰の真ん中へ段々移動してきた、言いはりますねん。

そのあいだ、体の動きも良うなってきたはるんです。

動きが良うなりゃあ、良うなるほど痛みも無くなっていきよる。

で、前の方にもよう曲げられるようになって、しかも下肢の痛みが出んようになっとる、言わはりますんや。

たった1回の治療でこんなんが全部でてきよりますのや。

10日前から症状がでて、ヒドなってきてる、いうてた人でしたけどね。

 

症状が変わらん、いうてた患者さんは体を前に曲げるのは出来てましたが指先は膝くらいまでしか届かんで、それ以上は無理でしたんや。

どんだけ腰を反らす運動を続けさせても、下肢の痛みは残ったままで、段々前にも曲げられへんようになってきてました。

下肢の裏側に貼り付いた痛みがこわばって、動かすのを邪魔してるようやと言うてはりました。

半年前からこんな調子や、とも。

この症例なんかは、症状がどれだけ続いてるのかいうことと、回復の早さとに関係があるいうことを示してるんやないかと思います。

時間の経過とともに、この問題が確認できるようになりました。

 

(つづく)

 

 

 

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