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マッケンジーな日々・お知らせ

2015.02.18

マッケンジー先生自叙伝:Against the tide 30 

痛みの場所が変わる、、、マッケンジー法を知る前にも患者さんの話を訊いていて不思議に思うことではありました。

でも、まさか痛みの出方を変えるようなことを人為的に起こすことができるなんて、体の動きと痛みの変化を関係付けて考えるなんて思ってもみませんでした。

ましてや、体の動き方ひとつで症状を強くしたり、弱くしたり出来るだなんて、そんなバカな、、、。

徹底的に患者さんに向き合って、症状を問診し、変化をとらえ続けてきたからこそ、得られた考察は強靭です。机上の空論の対局です。

そこには「嘘」が付け入る隙間がありません、そういう点が私がマッケンジー法に魅かれる理由にもなっているんすが、逆にそれに対して違和感を感じる人がいることも理解はできます。

まあ、考え方、感じ方はヒトそれぞれ、師匠はあくまでAgainst the tideでしたが、私はFloating on the tideでやってます。

側方負荷とcentralizationの発見、、。

 

 

 

 

ある種の患者さんに、腰を前に曲げるのを繰り返させると、症状そのものをひどくさせることができる、いうことは分かった。

ちゅうことは、これがまた、患者さんが避けるべき姿勢やっちゅうことにもなりますし、症状を良うさせるいうような、もっと言うたら回復させるための動きを示すことでもあるんですやろな。

椎間板理論は患者さんでいろいろ実験させてもろて出来あがったようなもんです。

いまやinternal derangementが臨床上、単に反復運動をすることで増えたり減ったりさせることができるいうのは明らかになってきましたし、間違うた方向では悪なって、その逆の正しい方向の運動を続けていくなら、症状は良うなっていくことも分かりました。

全てとは言いませんが、多くの患者さんでそんな可逆性のある変化がすばやく起こることが確認できました。

 

痛みがどのようにふるまっているのかを患者さんに問診するだけで、何をすべきで、どの方向へのエクセサイズが必要になるのんかが分かるようになりましたし、治療もたいてい上手いこといくようになってきました。

様々な動きやとか姿勢によって、どないなふうに椎間板が影響受けるんか考えていると、たちどころにその状況での解決法がパッと思い浮かぶんです。

全てが論理的に、ですわ。

治療の肢位もいろいろやってみました。

たとえば、妊娠中や、出産後に腰痛がでている女のひとなんかでは、絶えず姿勢の影響をうけてはるんやないですか、妊娠してるあいだじゅう、ずっと腰を反らすようにしてはりますさかいねぇ。

そうなると、屈曲姿勢で腰を前に曲げられんようになりはるんですわ。

そういう場合は伸展(後ろへ反らす)エクセサイズやなく、屈曲(前に曲げる)エクセサイズのほうが早く変化をみせる。

ちゅうことは、椎間板は前に膨隆して曲げようとする機能を邪魔しとったんでしょうか。

椎間板理論から考えるとそういうことになりますな。

 

もっと患者さんの症状に変化を起こさせるような新しいやり方なんかがないもんかと探し続けていました。

そうすると、push-upエクセサイズにうまく反応せん患者さんらがいたはることに気ィつきました、その人らはお尻の位置を変えるとエエ反応をしはるみたいなんですわ。

痛みが片方にだけあるか、坐骨神経痛みたいに臀部や下肢に痛みが放散してるような患者さんらの治療を進めていく場合にはよく使う手になりました。

これもまあ驚くべきことで、患者さんが通常の伸展エクセサイズにうまいこと反応してくれはれへん場合、骨盤の位置を痛みが出ているのと逆の方向へズラすようにすると、同じpush-upのやり方でも、ちょっと違うように作用するようになって効果がでるみたいなんですわ。

患者さんの痛み症状もcentralize(中心化)して、少のうなって、ついには消えてまうんです。

 

 

 

そのころ私は基礎的な記録をとりつづけてました。

 

こちらの質問に対する患者さんの反応などについて、どこが痛むんか?どれくらい続いているんか?何かきっかけがあるんか?少しでもマシになるようなことはなかったんか?良くなってる、悪くなってる、変わらない?腰を前に曲げるとどうなる?後ろに反らすとどうなる?座っていたり、歩いていたり、横になっているとどうなる?違う方向への動きの影響などを、逐一記録してました。

おんなじ姿勢を続けていると、痛みはどこから始まり、どう動いてゆくのかを何回も記録したんです。

 

いくつかの点で記録を見返していると気付くことがでてきましてん。

痛みが腰の部分のみの患者さんでは、伸展方向のエクセサイズをしていると次第に痛む範囲が狭まってきて、程度も少なのうなって消えてしもた。

一方で腰だけやなく臀部や下肢にも痛みがある場合では下肢の痛みが無くなっていって、背骨のちょうど真ん中あたりに向かって移動してきよるようなんです。

これはまさにMr.Smithで起こった一連のことですわなあ。

それからは患者さん全員に対して、治療していて痛みが移動するのんかを注意してみるようになりました。

痛みの場所が変わる、いうんは珍しいもんではなく、多くの症例で起こっていることでした。

急激に良い変化がある場合では大抵すっかり症状がなくなっていました。

初めて治療するときにみられることもあるし、2、3日の経過で段々とでてくるひともいてはります。

でも結局、痛みが腰の真ん中へ移動してきたら、その変化がゆっくりであっても患者さんは良うなっていくんやということがわかってきました。

このことを私は“centralization”と呼ぶことにしました。

こういいう現象があることに気づくのになんで2、3年もかかってしもたんでしょうかなぁ。

 

 

 

 

 

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