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マッケンジーな日々・お知らせ

2015.04.30

マッケンジー先生自叙伝:Against the tide 36

○○先生なら一発で治せるから、とか、どこに行っても治らなかった痛みが××療法で、、なんていう話を聞いては、あちこちの講習会やセミナーに顔を出していました。

自分以外、周りの参加者は理学療法士さんや柔道整復師、トレーナーの方ばかりで、講義のなかの実習ででも、ここはみなさんがいつもやられている方法で、なんて、オレ、いつもやってるわけでもないんやけどな、と躊躇する場面なんかもありました。

自分の「技」で患者さんの痛みをとることができることを夢見ての試行錯誤ですが、結局そんな魔法みたいなもんはどこにもありませんでした。

 

痛みが出るには、それ相当の理由があり、多くは完全に痛みを消し去ることなんかできません。

治す、なんてとんでもない話で、正確には、痛みとの付き合い方を知ってもらう、ということでしょうか。

一時的に痛みを感じにくくさせることはできるんですよ、うちは運動メインでやってますが、各種注射やのみ薬、貼り薬、鍼なんかも、とりあえず患者さんが納得してもらえるだけの駒は用意してるんです。

今までの体の使い方の癖から、変形した関節から、何かで圧迫された神経から、損傷した組織からと、痛みの出る原因は様々で、幻肢痛のように切断した足の先が激痛でたまらんのでなんとかしてくれ、なんてこともありますくらいでね、痛みとは、本当に訳の分からないモノもありますよ。

 

訳が分からないから、余計に痛みを強く感じるようになってしまうパターンはよく見受けられます。

原因が説明され得れば、それが事実と多少異なっていた説明であったとしても、自身が納得できるものであれば、それだけで痛みが軽くなることもよくありますね。

 

どうしようもなく発生してくる痛みを、どう飼いならすか、マッケンジー協会日本支部の岩貞支部長は「痛みをつかいこなす」という言い方をされてます。

 

カイロプラクティックやオステオパシーがまな板の上に載ってはいますが、痛みを即座に消すことができると称するゴッドハンド(神の手)をマッケンジー師匠がどう考えられているのか、今日もそういう話が続きます。

では、師匠、どうぞ。

 

 

NZMTAの上級講師として私は椎間板理論や治療手技を講義するようになりました。

そのころ私は患者さんを診て症状を分類分けして、最終域までの運動を反復させてみたり、centralization(中心化)を起こさせたり、うまいこと噛み合ってないモンを整復して動かしやすいようにしてみたりと、おおむね70%くらいの患者さんの症状を治せるようになってたんです。

このやり方を仲間に広めようとしてみたのに、、、まあ、ガッカリでしてんわ。

全く興味を持ってもらえんですし、理学療法士仲間の多くは脊椎のマニピュレ-ションやないと治療にあらず、いうような感じやったんですなあ。

 

NZMTAの方向性も段々あやしなってきよりましたんや。

脊柱のマニピュレ-ションを治療として普及させるのを一番の目標に据えようとしよる。

カイロプラクティックやオステオパシ-の人らがそういう分野はすでにおさえとる、いうのにですのや。

 

カイロプラクティックが問題やと私が思うところは、彼らはX線写真をみて診断を下す、いう点です。

X線写真は信頼出来んもんの最もたるモンで、X線写真を見ても、ほとんどの患者さんでは痛みの原因を特定出来へんのです。

 

もっとタチが悪いのはカイロプラクティックのadjustment手技が内臓などの臓器、組織の疾患を治せる、いうようなアホな主張が堂々とまかり通っとる、いうことです。

オステオパスはmanipulation(徒手矯正)を主な治療として、セラピスト自身の超敏感な指先の感覚ひとつで診断する、言うてはりますねん。

彼らは椎間板は腰痛の原因にはならん、いうて椎間板の存在を無視したはるのやさかい、腰痛を脊柱の徒手整復のみで治そうとしはるんですわ。

 

NZMTAがオステオパシ-の考え方を踏襲して、手先の感覚で診断を下すように決めよった時には、ホンマ心底ガッカリしましたわ。

 

Mr.Smithの件から10年あまり、こっちは腰痛を軽くさせたり治してしもたりすることが上手いこと出来るようになって、椎間板理論は正しいっちゅうことをますます確信するようになってきてますねん。

「縄張り争い」として始まったことが、いつのまにか世の主流派にケチつけとるようになってしもてますやないですか。

で、その主流派になっとる治療がホンマに患者さんのためになってんか、いうとこれがマッタク話になりませんのやさかいなあ。

 

今日でもNZMTAでは、とっくの昔に信頼性がないと言われとる、触診による診断と治療を教え続けとるんです。

脊椎関節が動き過ぎとる、ないし動かせにくうなっとる状態を、触診ひとつで診断するいうのは、そんなもん出来っこないことですし、信頼性があらへんいうことは多くの研究で証明されてますやないですか。

 

手技療法のセラピストは、いつも「魔法の弾丸」を探しつづけてはるようなもんですわ。

脊柱を徒手整復する新しい手技が発表されると、どんなもんかと見に集まってきはりますねんな。

マッタク、まるで賽の河原で石積まされとるようなもんで、徒手矯正技術への妄執がセラピストを単なる技術屋サンにしてしもとるんです。

 

数年後、1970年ぐらいでしたか、国の査問委員会がカイロプラクティックの地位を認めた、いうことを政府が発表しましてん。

私は査問委員会でScott Haldemanと初めて会いました。彼はカイロプラクティックの政治的立場での北米のリ-ダ-ですわ。

カイロを擁護する立場で,これがまた口がたちますねん。

そのときはゆっくり喋る機会も無かったんですが、今ではエエ友達です。

 

1978年には委員会が突如カイロプラクタ-を登録制にすることを発表しました。

勝者が歴史を作りますのや。

カイロプラクティックは公的医療サ-ビスとして認められ、今では治療費がNew Zealand Accident Compensation Corporationから支払われてますねん。

縄張り争いはその後もずっと続いてます。

 

 

 

 

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