マッケンジー法は1956年にニュージーランドの理学療法士ロビン・マッケンジー氏が考案し発展させてきた、「腰痛」「首の痛み」「背中の痛み」「関節の痛み」といった筋骨格系の病気を診断して治療するための方法です。
マッケンジー法は、これまで世界各地で多くの医師や医療機関から高い評価を得ており、実際アメリカやデンマークでは腰痛診察ガイドラインにおいて、マッケンジー法の使用が推奨されています。
マッケンジー法のセラピストとして、世界標準レベルの試験に合格した日本人はまだ206名しかいませんが、国際マッケンジー法協会の支部は世界31カ国に渡り、世界中に5000名以上のマッケンジー法協会認定セラピストがいます。
マッケンジー法で、悪化と判断するのは、大きくまとめて以下の三つです。
一般的な悪化とは痛みが酷くなることを指しますがマッケンジー法では、痛みの増加=悪化とみるのではなく痛みの場所の変化や、どこ痛みが酷くなったのかなどの情報を重要視します。
運動中に痛みがでるから、運動後に痛みが強くなるから、必ずしも悪化したとは言えないのです。もちろん痛みが強くなっているかどうかも重要ですが、マッケンジー法における痛みの増加には、中心化という良い反応も含まれていることをご理解ください。
足まであった痛みは、お尻位まで範囲は狭まったが、痛みは以前より強く感じるから、悪くなったのではないか。しばらく体操は中断しよう。
痛みが中心化していることはとても良い反応の典型なので、このまま続けていくべき。
痛みが強いようなら無理しないように指導してあげたい。
体操中、体操後に身体は動き易くなったが、元々の痛み自体は変わってないし、このまま続けても変わらないのでは。
症状の変化は段階的に進みます。
現段階で痛みの程度は変わっていなくても、日常の動作が行い易くなってきたのは、今まで痛みでうまく動かせてなかった身体が整ってきている証拠です。痛みにも変化が出てくる前段階ですので、このまま運動を継続しましょう!
痛みは少しマシになった気がするが、痛いことには変わりがないので変化がなく不安になる。
痛みが少し軽減し、痛みが出るまでの時間や、痛みが引くまでの時間が短くなっていませんか?
上記のように変化があるのならば良い反応です。継続することで様子を見てみましょう!
上記は、一例ですが、このようなことがあっては、残念ながら状態改善には至りません。
悪化よりも厄介なのは「変化が無いこと」
一番厄介なのは「変化が無いこと」です。
一般的に悪化と言われる「痛みが強くなる」「他の場所が痛くなる」といった症状の変化は、治療を始める前には分からなかった因果関係が見えてくるポジティブな情報、治療方針の道標と言えます。
リハビリを始めたのに痛みが強くなったりしたら不安になるのは当然ですがセラピストはあなたに合った治療方針を着実に掴んでいっていますので、私達を信じて運動を継続してください。
当院では国際マッケンジー協会認定資格をもったセラピストがマンツーマンで指導し、あなただけに合う運動方法を確実に探し当てていきます。
※マッケンジー法での施術は保険対応外となります。
実際に当院で処方する運動を行っていて「効果がないな」「悪くなっているんじゃないの?」と疑問をもたれ、マッケンジー法を諦めてしまう前に、以下の当てはまる項目をチェックしてみてください。
まずは体操をしてみましょう!!
痛い時に行って効果を確認することが、悪化と改善の見極めの第一歩です。
運動前より症状が腰に集まっている場合は、良い反応ですので継続して下さい。
痛みが強すぎる場合は、運動頻度など調整し継続してください。無理のない範囲で、可能な限り継続されることを強くオススメします。
運動負荷が強いと、運動後に痛みが残ってしまう場合があります。運動後、10分以内に治まるようなら問題はありません。運動頻度や回数など少し減らして、継続してみてください。
運動前より下肢の方へ広がっている場合は、注意してください。
一旦、体操を中断し、時間を空けて再度行ってみても同様の反応がある場合は中止して下さい。
運動前の状態から、痛みの場所に変化はありませんか?
運動前より、範囲が狭くなったり、場所が腰の方へ移っている場合は良い反応ですので継続して下さい。
また、運動前と比べて、体は動かしやすくなっていませんか?
運動後に痛みが変わらなくても、動きに変化があることは、とても重要です。変化を感じるのであれば、運動を継続していくことで痛みにも変化が生じる可能性があります。
運動を力任せに行っていませんか?体に力が入っていませんか?
一旦、休憩し、全身の力を抜いて、もう一度、試してみてください。それでも変らなければ、セラピストのチェックが必要です。是非、当院へお越しください。
運動中に痛みがでることは、マッケンジー法では、必ずしも悪いとはいえない反応です。運動後に生じた痛みが残らないのであれば、継続して問題ありません。
また反復して行うことで、痛みが軽減することも、よく起こりますので、まずは痛みが残らないように気をつけながら5-10回ほど反復してみましょう。