お知らせ・ブログ
診察室では、リハビリの説明で、実際こんなコトを話しております。/ マッケンジー法は自費扱いですよ。
うちのリハの特徴ですけどね、
技(ワザ)自慢の先生がガキッてやって、治ったでしょう、なんてやるんじゃないんです。
診察室での状況、情報を理学療法士に伝えて、
そこで、いろんなことを試して、それでどんな状態になるのかを確かめる。
それが良い状況に変化するようなものが見つかれば、まさにそれが宿題になります。
それをやると、なにかが変わるんですが、
しょせん筋肉かなんかの問題ですから、
変わっても2-3時間でもとの状態に戻る。
だって、そうでしょう、マッサージで「カラダ、軽くなった」なんて思っていても、すぐもとの状態に戻ったりするじゃないですか。
だから、戻ったら、そこでまたその宿題(の体操、運動)をやってもらうんです、
そうやってやりつづけてもらったら、トータルでどうなるのか?、
そういったところを、次にウチに帰って来られた時に検証します。
良いように変化が見られることもあるでしょうし、なーんにも変わっていないことも、また、悪くなった、ということもあるかもしれません。
良くなっていれば、万々歳。
ですけどまだ、ほかにもっと良いものがないのかをさらに探ります。
悪くなっていても、その原因は、はっきりさせましょう。
出された宿題自体が悪かったのか、宿題のやり方が悪かったのか、はたまた宿題の実施がおろそかになっていたのか、やりすぎなのか、どれなのか?
宿題はあなたの実際のカラダで試してみた結果、選ばれたものですから、
それ自体が悪い、というモノはそもそも課題にはならないはずですが、
続けているとカラダがまた違った反応を示す、だとか、
悪くなることを確かめるために、あえてそういう課題を選ぶ、ということもあります。
(その際は、そういった説明が必ずあります)
なーんにも変わらない、というのが、セラピストにはオソロシイ。
もし、悪くなって帰ってこられているなら、その反対のことを試せばいいのかもしれない、という予想が立ちます。
良いなら、万々歳。
変わらない、のは、
宿題の運動(体操)の強度が足らなかったのか、
もしくは、それを決める際に試した反応が幻だったのか、
みられた反応をセラピストが誤って解釈していたのか、
そもそも宿題をやっていなかったり、極端に頻度が少ないからじゃなのか?
やりすぎ、という可能性もないか?
いまいちど、元の地点にもどって考え直さないといけません。
理論上は、良い反応が出続けると、症状もよい状態へと変わっていく、と、
そういうコトです。
出された課題は、状態を良いものに変化させるだろうと見込んでいるわけですので、
調子が悪いと感じたときに、実際、宿題の運動(体操)をやってみて、どうなのか、ということも確認してくださいね。
その結果をぜひ、フィードバックしてください。
調子が悪くて、今まで、なんだかな、、と感じているだけだったのが、
何かをすると、自身で状況を変えることができるようになるかもしれない、
それって、すごいことだと思いませんか。
でも、それは実際の現場で本人に確かめてもらわないと、わからないことですね。
だからぜひ、調子が悪いと感じたときに、
出された宿題の運動(体操)を試してみてください。
やってみて、なにも変わらなかった、ということも、重要な情報です。それをフィードバックしてください。
こういう病態だから、(ヘルニアだから、脊柱管狭窄症だから)こういうことをやれば完璧、、、だなんて、そんなことは教科書にしか書いてありません。
ヘルニア、という診断がついても、タイプによってカラダの反応は様々ですし、そもそもヘルニアという診断は、検査の画像の所見に過ぎないのかもしれません。
画像でヘルニアが確認されても、実際、そのヘルニアが症状に関係していないケースも、珍しくはないからです。
リハビリの現場では、病名はさておき、こんなことをやると、こうカラダは反応する、だからこうやるといいんだ、というように対処を探っていきます。
2-3時間でカラダはもとにもどるので、そこでまたやってくださいね、、、
と、そういうお願いをするので、一回にやる課題の数は絞らないといけません。
この十種類の体操を宿題にするのでやってきてください、なんていっても、できるワケ、ないですよね。そんなの無理に決まってます。
ですから一回に出す課題は2つか、多くても3つに絞らないといけません。
理学療法士にみてもらうのは、
今の私の2個か3個って、何?、を決めてもらうためにみてもらう、ということです。
次に帰ってきたときに、良い状態なら、そのままGOかもしれませんし、そこでまた新たな課題に変更となることや、同じ課題でもやり方に修正が加わるかもしれません。
悪くなっていても、それがなぜなのかを検証、
そうやって、自身のカラダを変えていくことを一緒に探っていきましょう。
リハでの変化を診察室でも逐次フォローしていきますので、
なかなか変化がでないなあ、というのが、
ある特定の筋肉のこわばりが強くて、だとか、この部分が当たっていて/引っかかっていて痛みがでてくるからリハの進行を妨害しているのね、ということなんであれば、
そこで注射対処を考えることもあります。
それがヒアルロン酸なのか、麻酔の薬をうすーく混ぜた、カラダの組成に近い水、なのか、状態により内容は様々ですが、
例えば、押さえて痛みのある筋肉は、なんらかのこわばりを作っているところであることが多く、そういった場所をエコーの器械でみると、白く映っていたりする。
エコーは固いものが白く映りますから、押さえて痛いところが、エコーで白くなっているなら、そこに注射の針の先を持って行って、ブワッと水を広げる。
注射はリハの前にはしません、だって、それで動き方が変わってしまいますからね。
リハが終わって宿題が決まったあと、注射をして、
動きやすい状態を作っておいたから、だから宿題を頑張ってくださいね、
そういうことで状況が変わっていく方もおられます。
うちのリハは保険のリハと自費のリハ、2種類があります。
保険のリハは1単位20分って時間枠が決められていて、とくに兵庫県では、20分以上の時間をかけると「過剰な診療だ」と判断されますので、20分という時間のなかでできるだけのことをやる、そういうことです。
自費のリハはその2倍、3倍、つまり40分、60分という時間を使えるので、いろんなことを試す余裕があり、もっと内容を深く確かめていくことができますし、さまざまに確認をした上で宿題を決めますので、精度があがります。
理学療法士が患者さんのカラダをみて、問題を解決する、かもしれない4種類の可能性を考えたとしましょう。
時間が十分あれば4種類全てを試して、その中でベストの反応を示す◎を宿題とします。
◎が出続けると、最短/最速で良い状況へと変わっていくのですね。
それが、見極めるのに20分しか時間がない場合、
たまたま試したのが◎だったなら、ラッキーです。
そのままGOでHappy一直線です。
でも時間の関係で、試せたのが△の2つだったりした場合、
うーん、どちらも良いとも言えないし、悪いとも言えないですね、、、で、この△のひとつを課題としてやってみてください、、、、で次に来られてイマイチで、
うーん、じゃあ、この別の△を、、、なんて2,3回、ハズレが続くと、
患者さん本人のやる気がどんどん失われていくと、
そういう違いはあるかもしれません。
(説明の都合で、自費のリハ、と表現していますが自費扱いとなるのは「ここカラダ」としてのサービスであり、保険診療としてのリハビリテーションとは異なります)
マッケンジー法でやってみたい、という方は自費のリハにはいってください。
とても保険扱いの短い時間のなかで、やり切れる内容ではないからです。
マッケンジー法が目指すのは痛みを取り去ることではありません。
経過のなかで痛みが消失することもありますが、
痛みがあるから何もできない、じゃなく、痛みがあって動作に不便を感じる状態であったとしても、その状況に自分でなんとか対処できる術を学ぶということだと、私たちは考えています。(これは国際マッケンジー協会としての趣意ではありません)
病状に対する方針が定まるまでは、患者を毎日診なさい、というのがマッケンジー先生の意思でした。
遠くから来院される方もおられますので、毎日来てください、とは言いませんが、短期決戦というつもりで、あまり間をあけずに集中的に、そして、宿題となる課題も短期決戦であるがゆえにしっかりこなしていただく。
どんなことをすると、自身のカラダはどんな風に変化するのか、そういったことに患者さんご自身で直面していただくので、将来的には自分の状態がコウなら、このように対処をすればよいのか、ということも段々、自身で判断がつくようになってきます。
5回のセッションを経て患者さんの病状についての方針を定める、そういう気持ちで私たちは患者さんに相対しております。
以上のようなことを診察室では説明しておりますが、
時間の関係で、ここから1/4~1/2くらいを、はぶくことが多いです。
来院され、診察を受けていただくと、これに身振り、手ぶり、顔芸、などが付加されたものを実際に見聞できますが、
くどい、またか、と思われた方は「ブログで読んだから、もういいです」と言ってください。
説明の途中でさえぎっていただいても結構です。
それが診察時間の短縮になり、お互いの精神衛生上、よい結果を及ぼすかもしれません。