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正しい姿勢への勘違い。「正しい姿勢」という幻想をぶち壊そう!
あなたは「正しい姿勢」は?と聞いて、どのような姿勢を思い浮かべますか。
もしくわ「悪い姿勢」は?と聞い、どのような姿勢を思い浮かべますか。
以下に二枚、姿勢のイラストを載せてみました。
出典(図):自分で治せる!腰痛改善マニュアルより引用
あなたは、どちらが正しい姿勢だと思いましたか?
どちらが悪い姿勢だと思いましたか?
簡単でしたでしょうか。
答えは、もう少し後でご紹介しますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
今回は、理解している様で、実はあまり分かっていない「正しい姿勢」についてお話をしていこうかと思っています。
あなたは正しい姿勢と言われたとき、何を基準にして「正しい」と判断していますか?
よく言われているのが、、、
背骨が横から見るとS字にカーブしている
横から見た時に、耳・肩・おしり・膝・くるぶしが一直線になる
胸を張って、頭が上に引っ張られているように意識する
これらは、テレビや書籍でもよく目にする情報ですが、このような情報が間違いだとは言いません。
ただ、上記に示した様な姿勢をとることが「正しい」「良い」姿勢だという表現をされていることに、あなたが姿勢について勘違いをしてしまっている原因が隠れているのではないかと思っています。
わたしが臨床の現場でよく見かけるパターンとして多いのが以下の二つです。
「背中が丸まったらいけないので」と、過度に胸を張っているパターン
「姿勢は意識してます」と言って、前かがみにならないように後方へ倒れているパターン
さて、あなたはどのような姿勢を意識していますか?
上記のパターンはいずれにしても、姿勢を良くしようという意識の高い系ではあるのですが、、、、
上記の様な姿勢を日常生活でとっている結果、
逆に背中や腰の痛み、肩こりなどを作ってしまっていることが多いように感じています。
なぜそのようなことが起こってしまうのか?
それは、そもそも「正しいという基準」や「姿勢を保つということ」の、あなたの常識自体がズレているからかもしれません。
あなたは姿勢について
「正しい姿勢をとった方がよい(悪い姿勢をとってはいけない)」
「伸ばした姿勢がカラダに良い(丸まった姿勢はカラダに悪い)」
といった感じで、姿勢を考えていませんか?
実は姿勢というものは、たとえ伸ばしていても丸まっていても、同じ姿勢を長時間保っていること自体が、カラダにとって良いことではないんです。
なぜならば、わたしたち人間はカラダの構造上
じっ~と同じ姿勢を保つということはできないようになっているからです。
身体中に栄養や酸素を運んでいる血管などは筋肉と筋肉の間を通っています。
同じ姿勢をとっていると筋肉への負担が大きくなり、筋肉が緊張し柔軟性が少なくなり、縮こまってしまいます。
すると、縮こまった筋肉が血管を圧迫してしまうので痺れたり、痛くなったりします。
ひとつ分かりやすい例をあげてみると、長いあいだ正座したあとの状態ですね。
昔から正座は良い姿勢だと言われていますが、それでも長時間とればカラダに支障をきたしてしまいます。
これは、椅子やソファーでの座り姿勢や、立ち姿勢についても同じことが言えます。
たとえ正しい姿勢だとしても同じ姿勢を長く保つことができない、さらにカラダに支障をきたしてしまうという理由が、少しは理解してもらえたでしょうか?
ここまで、良いも悪いも、どちらにしても長く保つことはカラダに良くないとお話ししてきましたが
じゃあ結局、姿勢ってどうすればよいのか?
そもそも正しい姿勢ってあるのか?
次は、そのあたりをお話ししていこうと思います。
さて、冒頭でみていただいた姿勢についての答え合わせをしましょうか。
忘れた人のために、もう一度みて考えてみてください。
出典(図):自分で治せる!腰痛改善マニュアルより引用
さて、あなたの答えは、、、、、
ここまで読んでいただいた、あなたなら簡単でしょう。
そうです、どちらも「正しい」姿勢ではない!
これが私の回答です。
もう少しいうと、正しい姿勢という決まったものはないということです。
さきほど、同じ姿勢は保てないとお話ししましたが、
あなたが気づいていないだけで、私たちは絶えず姿勢を少しずつ変化させ、
カラダへの負担を知らず知らずに軽減させているのです。
姿勢とはあくまでも一時的な形であって、正しい姿勢という決まったものは本来はないはずなんです。
ただ正しい姿勢はありませんが、カラダにとって負担が少ない形と言うものは存在します。
それは以下(図)のような姿勢です。
出典(図):自分で治せる!腰痛改善マニュアルより引用
これをニュートラル(中立、中間的)な姿勢といいます。
伸ばした姿勢と何が違うのか?
緑の線で表したのが、私たちのカラダを支えている背骨です。
その背骨の形に注目してみてください。
出典(図):自分で治せる!腰痛改善マニュアルより引用
右の図の方が、首から腰の部分にかけての反り方が少なくなっているのがお分かりでしょうか?
S字カーブという言葉に惑わされているかたが多いようですが、
図の様になだらかなS字カーブを描き、どちらかというと真っ直ぐに近い方が、負担の少ない姿勢なんです。
ただし、もう一度言いますが、あくまでも「カラダへの負担の少ない姿勢」であってこれが「正しい姿勢」ではありません。
そういう意味で、この世にある正しい姿勢とは、幻想なのかもしれないですね。
最後に、カラダに負担の少ない姿勢の作り方を載せておきます。
あなたも、幻想に惑わされず、カラダに負担の少ない姿勢を心がけるようにしてみてください。
出典(図):自分で治せる!腰痛改善マニュアルより引用
方法としてはいたって簡単!
丸まった姿勢(左図)と姿勢を正した姿勢(右図)を交互に繰り返します。
ただこの時、骨盤の動きと背骨を上下に伸ばすという動きを常に意識してください。
口で言うのは簡単なのですが、実際にやってみるとこれが案外難しいんです。
何度か上記の動作を繰り返し姿勢をリセットした後に、しっかりと伸ばした姿勢から1~2割くらい脱力してみてください。
それがカラダに負担の少ないニュートラルな姿勢となります。
以下の動画も参考にしてください♪
様々なメディアや書籍で正しい姿勢という情報が出回っていますが、どれも見た目の美しさなど理想的な形を求めたもののような気がします。
しかしながら、理想の形を追い求めた結果、体に無駄な負荷をかけ、逆に腰痛や肩こりなどの症状を生じさせている人がいることを、この機会にご理解いただけると幸いです。
姿勢というのは『悪い姿勢がダメ』ではなく『良い姿勢をとるのが良い』でもないんです。
カラダに負担をかけ続けないような工夫が大事なんです。
日常生活で座ることの多い方
デスクワーク、バスや飛行機などの長時間すわっていることを強要される方は
ぜひ、姿勢のリセット体操を行って、負担の少ない姿勢を獲得してみてください。