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五十肩とは?痛みの原因と治し方。あなたの選択肢は、手術?注射?リハビリ?

ある時、ふと手を動かしてみたら「肩が痛い」って思ったことないですか?

それ以降、なんとなく肩に不快感や痛みを覚える日々が続き

 

「嗚呼、とうとう五十肩になる歳になったのか、、、、」

なぁ~んて、しみじみと感慨にふけっていませんか。

 

五十肩は、そのままでも自然経過でよくなると一般的には言われていますが

肩の痛みの原因には、様々なものが混じっていることが多いんです。

 

その痛み、「歳のせい」「軽い肩こりだろう」と放おっておくと、、、

 

次第に、服を着たり脱いだりする動作や、頭の後ろに手を回すような動作、腰の後ろや背中に手を回すような動作が難しくなり、夜間痛という就寝時に痛みを感じるようになることも、、、、

 

何事も、早めの対処が功を奏することが多いです。

 

今回は、五十肩の原因や治療法などを臨床場面での事実に基づいてお話して行きたいと思います。

 

 

 

五十肩とは?痛みの原因はなんでしょう?

さて、突然ですが、ここであなたに質問です。

 

「五十肩という病気、病名があると思いますか?」

 

正解は ×

五十肩という独立した病気や診断名はありません。

 

五十肩は、肩関節周囲炎と言われる病態のことです。

肩の関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と定義されています。

 

中年以降、特に50歳代に多くみられることから、五十肩と呼ばれていますが、実際には若年者でも起こり得る病態なんです。

 

五十肩(肩関節周囲炎)だと診断を受けても、あなたが感じる痛みの原因として、実際には様々な病態が混じっていることがあります。

 

MRIなどでしっかりと調べてみると「腱板断裂(損傷)」だと、はっきりと病変が指摘できるものもあります。

ちなみに、腱板断裂というのは、肩の深層にある筋肉のスジのが切れてるという状態のことです。

 

あなたの肩の痛みの本当の原因を見極める事も、治療する上でとても大切なことです。

 

治療手段として整骨院やマッサージを利用されることは個人の自由ですが

その前に、肩の治療を専門とされているようなクリニックや病院へかかられることをお勧めします。

 

さらに言うと、私が臨床の現場でよく遭遇する例としては

肩自体の問題よりも、姿勢や体の硬さが理由で肩の痛みが生じていることも少なくありません。

 

以下のデーターは、通常の姿勢(左図)の人よりも、不良姿勢(右の3つの図)の人の方が、腱板断裂(損傷)になりやすいということを示しています。

 

また、力仕事をされる方よりも、デスクワークで同一肢位を保っている人の方が、肩の筋肉に負担がかかりやすく、痛めやすいとも言われています。

 

当院のリハビリでは、姿勢や背骨の柔軟性と肩症状の関連を重要視していますので

肩のみならず、姿勢や背骨に対するアプローチもしっかりとお伝えしていきます。

 

 

 

五十肩の治し方と他の選択肢

さきほど、五十肩は自然に治るとお話ししましたが、自然に治るといっても、何もせずに治る訳はなく、固まらないように自分で動かす必要が当然あります。

 

さらに、治癒までにかかる期間も、半年から一年近くかかる場合もあります

 

しかも、簡単に肩を動かすと言っても、痛みを伴いながら自分で運動するのは大変です。

 

そうなると、動かすと痛くなるからといって、動かすのを控えてしまい、やがて肩が固まってしまい、気付いた時には肩の動かせる範囲がとても少なくなっているなんてことも、、、、

 

運動はしなければいけないが、肩は痛くて動かせない!

そんな時にオススメの運動を2種類ほどお伝えしますね。

 

前もって言っておきますが、お伝えする運動は痛みに必ず効果があるという訳ではなく

あくまでも、肩の症状と関連のある姿勢に対し「不良姿勢をリセットする」ことや「同一姿勢で固まってしまった背骨の柔軟性を回復させる」ための運動だと言うことを頭においておいてくださいね。

 

とはいえ、私が臨床現場で、肩の痛みを軽減させるために患者さんへお伝えしている運動でもありますので、試してみる価値はあると思いますよ。

 

姿勢のリセット体操

 

出典(図):自分で治せる!腰痛改善マニュアルより引用

 

方法としてはいたって簡単!

丸まった姿勢(左図)と姿勢を正した姿勢(右図)を交互に繰り返します。

ただこの時、骨盤の動きと背骨を上下に伸ばすという動きを常に意識してください。

 

口で言うのは簡単なのですが、実際にやってみるとこれが案外難しいんです。

 

そもそも腰や股関節などが硬い人は、どうしてもうまくできないことも多いですので、無理矢理に図のような形を作ることはしないでください。

 

図のような形を作ることが目的ではなく、あくまでも、交互に動かして体をほぐすことが一番の目的であることを忘れないでくださいね。

 

以下の動画も参考にしてください♪

 

 

固まった背中を伸ばして柔軟性を回復させる体操

出典(図):国際マッケンジー協会パートDコースマニュアルより引用および部分修正

 

方法は、緑枠で示してあるのがイスです。

図のように頭の後ろで手を組んで、イスの背もたれにもたれかかる様にして背中を伸ばします。

 

この際、無理矢理に伸ばすのではなく、息を吐きながら、脱力して行ってください。

また後方への転倒しないように注意してください。

キャスターのついたイスなどでは絶対に行わないでください。

 

肩が痛くて、図の様な形が取れない場合は、片手で頭を支えたり、痛くない方の手だけバンザイするように行ってみるなど、工夫してみてください。

 

以上、簡単ですが自宅や職場で行える体操をお伝えしました。

症状が強くなく、まだ動かせる初期の状態なら、この運動でも十分対処は可能ではないかと思っています。

 

ただし、痛みの原因がただの老化現象ではなく、腱板損傷などによる場合は、運動の仕方によっては痛みがひどくなり悪化してしまうこともあります。

 

そのような場合は、病態によっては行うべき対処が異なってきますので、我流で闇雲に運動せずに、専門家に診てもらうことがオススメです。

 

さて、ここで再び、あなたへ質問です。

あなたは五十肩だと思って医療機関を受診しました。

そこで検査の結果、腱板断裂だと言われました。

 

「あなたが取れる選択肢は何でしょうか?」

「断裂ってことは切れてるんでしょ?手術しかないんじゃないの?」

そう思われるのも当然でしょう。

 

じつは、そうでもないんです!という話を次にしていきましょうか。

 

 

 

 

手術一択ではないという事実

さきほどもお話ししましたが、腱板断裂=すぐ手術という訳ではありません。

 

断裂という言葉から、切断されているようなイメージをお持ちでしょうが

断裂といっても、部分的に切れているだけだったり、ささくれ状に毛羽立ってる状態だったりと、様々な状態のことを含めて、腱板断裂(損傷)と診断されています。

 

画像検査によって腱板断裂だと確定しても、まずは注射や内服での治療を行ったり、リハビリなどの運動療法によって保存的な治療を実施していきます。

 

それらの治療を続けていても、痛みや動きの悪さが改善しない場合に、初めて手術という選択肢がでてきます。

 

はやく痛みなどから逃れたい、動かせる様になりたいという思いから、手術を希望される方も少なくありませんが、手術が近道ではありません。

 

手術というのは、大なり小なりカラダを傷つける行為ですので、その点を忘れていませんか?

 

私たちの人間の身体は、機械ではありません。

悪いところ、壊れているところを、チョチョイと修理したら、その途端に元どおりに動き出す

な~んてことは絶対に起こりません。

 

例えば、腱板断裂の場合は、日常生活が問題なくできる様になるまで3ヶ月くらい

自分の本来の肩の状態に戻るまで6ヶ月くらいかかるのが目安となっています

 

もちろん、重症度や術後の経過によって、上記の期間は変動しますのであくまでも参考程度です。

 

肩において手術をするということは、それがゴールではなく、そこからがスタートということになることを、是非あなたには覚えておいて欲しいと思います。

 

 

注射の効果と現実

この部分は、私の個人的な意見です。

注射などの治療を否定するものではありませんが、興味がなければ次まで読み飛ばしてください。

 

さて、五十肩だと思っていたその症状が、たとえ腱板断裂としても、手術がファーストチョイスでないことがお話ししてきました。

 

では、手術をしない場合、治療としては何が選択されるのか。

 

おそらく多くの人がブロック注射や、最近TVで放送されたハイドロリリース、筋膜リリースといった硬くなった筋肉を緩める様な注射によって、痛みの緩和や動きの改善を図ることが多いのではないでしょうか?

 

しかし、その注射治療を受けても、あまり効果がなかったりするのではないかと、、、

そして、注射も効果がないから、整骨院で揉んでもらっているけど、それでも、、、、

 

当院へ来られる方の多くが、このような状態で進退極まって、悩まれていることが多いように感じています。

 

それは何故か?

 

硬くなった筋肉をマッサージで揉んでもらって

もしくは注射で筋肉の緊張を緩めて、症状が楽になったとしても、

 

根本的なところでは、筋肉を固めてしまうようなカラダの使い方だったり、不良姿勢を取っていたりと

普段からの癖や習慣が変わらないので、結局のところ、効果は大なり小なり一時的であって、あとは元に戻るだけ、そしてその過程を繰り返していく、、、、

 

というのが現実なのではないでしょうか。

信じるか信じないかはあなた次第です。

 

 

 

当院では、注射とリハビリを併用してます

さきほど、注射の効果は一時的であって、根本的には姿勢やカラダの使い方を変えなければ、問題は解決しないですよとお話ししました。

 

ただ注射自体が全く効果がなくて意味がない治療だって訳ではありません。

 

あくまでも、注射のみで治療するだけでは、問題解決するのが困難ですよって話です。

 

当院では五十肩を含め、肩の痛みを有する患者さんへの対処はリハビリ(運動療法)が中心ではありますが、時にはリハビリによる運動療法を行いながら注射治療も行っていくことがあります。

 

その理由(ワケ)は、、、

(院長ブログ「ハイドロリリース、エコーガイド下ブロック、筋膜リリース、生理食塩水ブロック注射についての、四方山なお噺。(その1)」より引用抜粋)

 

~ここから~

リハで自身のカラダを変えて行くべく対処し、でもコワバりきっているところがあるから、なかなかリハが進まないなあ、、というときに注射の出番、というのが真っ当なありかたなんじゃないかと考えています。

 

 

注射で固まってるところを、ふやかして動かしやすくしといたから、引き続きリハビリがんばってね、それですよ。

 

 

注射一本で魔法みたいに患者さんを治せるなら、私も大阪はキタ、梅田の一等地、グランフロントぐらいで、魔法の注射を全面に掲げてお店開いて勝負にでてます、でもそんなのあり得ん、と思っているからこそ、理学療法士と二人三脚でやってるんです。

 

TVを見て、期待に胸を膨らませている方には冷や水を浴びせるようですが、やっぱり、地道に、小さなコトからコツコツと、ですよ。

 

魔法の一撃で、お手軽にショートカット、はないんじゃないですか。

~ここまで~

 

このように、当院では医師、セラピストともに運動療法によって根本から問題解決をすることが重要だとの認識を持っています。

 

あなたが今どうすべきか、我々ならしっかりと指導することが可能だと思っています。

 

あなたにあったオーダーメイドの運動をお伝えする、それには条件があります。

それは、あなたの状態を時間をかけて正確に把握し、姿勢や動かし方の癖などを詳細に分析し、運動による検査を徹底して行うということです。

 

そのためには、どうしても時間に縛られた保険診療では難しく、時間をかけた診療が行える自費でのリハビリ実施を当院では推奨しております。

 

興味があれば、ホームページ自費に関してのブログも書いていますので、以下をご参考ください。

 

【HP】当院の自費診療(リハビリ) 「こころとカラダの健康塾」

https://www.nakanoseikei.com/health/

 

【ブログ】当院のリハビリが、あなたに提供できる価値とは?

https://www.nakanoseikei.com/2019/01/25/touin-rihabiri-value/

 

【ブログ】中野整形外科で私が自費リハビリを行う訳。保険と何が違うの?

https://www.nakanoseikei.com/2019/08/29/nakanoseikei-jihi-rihabiri-the-reason/

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