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親指の付け根が痛い原因を解決!靴と足のつま先の形が重要
今回は、足の親指の付け根が痛い原因について、靴との関係を絡めてお話ししていこうと思います。
私は、兵庫県の尼崎市の整形外科クリニックで理学療法士として、痛みのある患者さまに対しリハビリを行なっておりますが、、、
実は、もう一つの顔があります。
それはフットケアトレーナー「足と靴の専門家」という顔です。
日々の診療の中で遭遇する足のトラブルへ対処してきた経験と知識をもとにお話しをしていこうかと思います。
目次
親指の付け根が痛いのは?
親指の付け根が痛むという方の訴えで、診療の場面でよく聞くのは
「小さな靴を履いているから当たって痛むんです」というもの。
ただ実際に確認してみると、そんな方に限ってサイズはぴったりの適切なサイズの靴を履いていたりします。
ではなぜ、適正なサイズの靴を履いているのに、足の親指の付け根が痛むのか?
実は、サイズや足幅以外にも、足の親指の付け根が痛む原因があります。
親指の付け根が痛い典型例は外反母趾
外反母趾とは、親指が内側に曲がってしまい、くの字形になっている状態のことを言います
確かに外反母趾の方は、靴の幅が狭いと、親指の突出部分が靴に擦れてしまい痛みを感じることがあります。
ただ、外反母趾がない(もしくわ軽度)にも関わらず、親指の付け根が痛む場合があります。
おそらく二つの原因があると考えています。
一つは、「外反母趾に良いと言われている靴の特徴」
もう一つは、「自分の足、特につま先の形にあっていない靴をはいている」
外反母趾にいいと言われて売られている靴の特徴
外反母趾の人に向けられたキャッチコピーには、以下の3つが多いです。
「クッション性が高く、衝撃が吸収するので疲れにくい」
「指が当たらない幅広の設計」
「アーチが崩れているからサポート機能がついている」
各々について説明していきます。
まず「クッション性が高く、衝撃が吸収するので疲れにくい」について
外反母趾を有している人の足が、衝撃吸収する能力が低下していることは事実としてあります。
だからクッション性を高め衝撃を和らげましょうという考えは悪くはないと思います。
実際には、中敷が柔らかいことで、かえってバランスが悪くなり、売り文句とは逆に疲れやすくなってしまいます。
砂丘や砂浜のような足が砂に取られるような不安定なところを歩き回ることを想像してみてください。
そんなところを一時間も歩けば、ふくらはぎを含め、足がパンパンになってしまいます。
クッション性が本当に効果を発揮するのは、少なくとも足に何も問題のない方に限ると私は思っています。
つぎに「指が当たらない幅広の設計」について
外反母趾の方は、親指の外側が靴に当たって痛いから、当たらない様に幅の大きめの靴を買われます。
また靴屋さんで勧められると言います。
でもちょっと待ってください。
足幅に合わない靴を履くことで、逆に外反母趾を強くしてしまうことがあるってご存知でしょうか?
簡単に説明すると、適正な足幅より大きな幅の靴を履くと、靴の中で足が左右前後に動いてしまいます。
足が靴の中で動くということは、気づかないウチに
歩く毎に靴の内壁で指が当たったり、離れたりを繰り返している可能性があります。
幅広も場合によっては考慮する必要がありますが、基本的には大きめの幅の靴を履くことはオススメできません。
大事なのは、大きめの足幅を選ぶことより、つま先の形だと考えています。
適切なつま先の形については、のちほどお話ししようと思います。
最後に「アーチが崩れているからサポート機能がついている」について
これに関しては色々な意見がありますが
個人的には、、、、
「必ずしも必要というわけではない」というのが私の見解です。
診療の場面でよくオーダーメイドされたインソール(中敷き)をみることがありますが
過剰に盛り上げてあったり、必要のないサポートがされていることが多い印象です。
必要のないサポートをすることで、かえって別の症状をだすこともあります。
実際にインソールを作成する側の意見として、アーチサポートの選定にはミリ単位の微調整が必要です。
また足の状況は個人で違うため、オーダーメイドの対応が必要となります。
なので、市販されているインソールを自己判断で使用するのもあまりオススメできません。
次は、自分の足(つま先)の形と、それにあった靴はどんな形なのか?ということをお話ししていきます。
つま先の形とそれに合った形の靴とは?
足の形には「エジプト型」「ギリシャ型」「方形型」3種類があります。
「エジプト型」は、第1指(親指)が一番長い足
この足に適したつま先の靴は「オブリーク型」
ドイツ系に多い健康靴やウォーキングシューズによく見られる足の形そのままの靴です。
イメージがしやすいのは、誰もが履いているク○ッ○スというサンダルの形
「ギリシャ型」は、第2指(人差し指)が一番長い足
この足に適したつま先の靴は「ラウンド型」
見た目はごく普通な印象のつま先が丸い靴です。
コン○ースなんかが、このつま先の形が多い印象です。
「方形型」は、第1と2指の長さがほぼ同じの足
この足に適したつま先の靴は「スクエア型」
つま先の先端が角張った靴で、女性のビジネスシューズに多い形です。
普段履きの靴では、あまり見かけないですが、私がみていないだけかも、、、、(笑)
私たち日本人のつま先の形は、7割が「エジプト型」といわれています。
残り2割が「ギリシャ型」1割が「方形型」です。
つまり、ほとんどの方が「オブリーク型」の靴が適正な形ということになります。
ただ実際はどうでしょうか?
あなたは、先の尖った「ポインテッド型」や
ポインテッドとラウンドの中間型「アーモンド型」など
デザインやファッション性に富んだ靴を履いていることが多いのではないでしょうか?
あなたの足に本当に合った靴は
おそらく「オブリーク型」で、あまりお洒落ではない靴かも知れません。
最後に、足の親指の付け根が痛い人にオススメしない靴とオススメする靴の特徴をご紹介します。
親指の付け根が痛い人にオススメしない靴
・脱ぎ履きが簡単な靴
・踵を包む部分が左右に潰れる(柔らかい)
・靴が二つ折できるほど柔らかい
・調整具(紐やマジックベルトなど)が付いていない靴(例:サンダル、スリッポン)
・靴の両サイドが柔らかい素材(親指の当たる部分だけメッシュ素材などが多い)
上記の特徴に当てはまる靴では
足と靴がしっかりフィットしないので、歩くと疲れやすかったり
足の親指以外の部分にトラブルを引き起こしたりすることもあります。
簡単に言えば、よく言われている
「軽くて(柔らかくて)履きやすい」はオススメできません。
オススメする靴
・爪先の形が自分の足の形とあった靴
・紐ぐつ
・適正な足幅の靴(サイズ計測が必要)
・素材は革が良いです(履くごとに足の形に馴染む究極のオーダーメイド素材)
簡単に言えば
「持ったら少し重たいけど、履いて歩くと軽い靴」がよいです。
あと、僕がオススメする靴の特徴は履きにくい靴
履きにくいということは、脱げにくいということ。
脱げにくいということは、それだけ足にフィットしているということです。
この足と一体化したようなフィット感のある靴を選ぶのが非常に大切になります。
あなたは、キツイのが嫌で、ゆったり目のサイズの靴を選んでいませんか?
まとめ
・親指の付け根が痛いのは?
→典型例は外反母趾に伴うものだが、外反母趾がなくても痛くなる事あり
→小さい靴を履いていることだけが原因ではない
→外反母趾にいいと言われて売られている靴にも問題あり?
→足のつま先の形との不一致も原因のひとつ
・外反母趾にいいと言われて売られている靴の特徴
→クッション性が高いほうが、逆に疲れやすい場合もある
→指が当たらない幅広を選ぶと、足が中で動いてよくない
→アーチが崩れているから必ずサポートする必要はない
・足の形とそれに合ったつま先の形とは?
→足の形は「エジプト型」「ギリシャ型」「方形型」3種類
→日本人の7割は「エジプト型」
→それに合うつま先の形は「オブリーク型」
・親指の付け根が痛い人にオススメしない靴
→「軽くて(柔らかくて)履きやすい」はオススメしません
・オススメする靴
→オススメは「持ったら少し重たいけど、履いて歩くと軽い靴」
→足と一体化したようなフィット感のある靴を選ぶのが大切
是非この機会に
あなたの足をしっかり観察して
つま先の形に合った靴を、靴屋さんで探してみて下さい。
当院へお越しの際には、足のサイズ計測など行い、あなたの足に対して、しっかりサポートさせていただきます(^^)
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