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痛み止めの功罪を徹底解説!自然治癒力との関係
- 痛み止めの功罪
痛み止めの功罪について詳しく解説します。痛み止めの使い方や自然治癒力との関係を理解し、正しい知識を持つことが大切です。
<カラダが自然に治る仕組み>
カラダが痛んだ時、自分で治す能力が自然治癒力です。
指を切って血が出る
①指を切ったら、「痛い!」という信号が知覚神経から脳に伝わる
②脳は、切れた場所に血液を集めようと働くので、切った場所が腫れたり、熱を持ったり、赤くなったりします。
③切れた場所に血が集まると、まず、そのなかの血小板が切れた場所に張り付きます。
血小板は切れた部分を覆って、それ以上、血液が漏れないようにします。同時に新しく線維を作るので、切ったあとの部分が盛り上がったりします。
④次に血液の中の白血球が盛り上がった線維を食べて、組織が再生されます。
⑤指を切って数日は切った場所が盛り上がって、肉芽組織で血が止まり、10日ほど経つと盛り上がった肉芽組織もなくなり、指がもとにもどります。
修復が終了するまでは痛みは継続します。それは、血液が集まってきてほしいからです。
痛み止めの影響
痛みがあるときに、痛み止めを飲んで、痛みを止めてしまうとどうなるでしょうか?
血液が集まらなくなって、治癒も遅れてしまう、
痛みが不快だからそれをなくそうとして、
もしくは痛いのがなくなると、治ったような気になるので?、
痛み止めを飲んでいて、
自然なカラダの修復を、逆に、邪魔してしまっていることになるんですね。
<痛み止めには種類がある>
①消炎鎮痛剤:ロキソニン、セレコックス、ボルタレン
痛み物質であるプロスタグランジン(PG)が知覚神経に痛みを伝えます。また、脳内でPGが放出されると発熱を起こします。
炎症や痛み、発熱はこのPGという物質によって引き起こされます。
この薬を飲むと、炎症が抑えられ、痛みが軽減しますが、血液を集めてくる治癒能力も障害されますし、また腎臓や粘膜組織を傷める副作用もあります。
痛み止めを続けてのんでると、胃がおかしくなる、というのはコレです。
②末梢神経抑制剤(リリカ、タリージェ)
痛み刺激は知覚をつかさどる神経から脳へと伝わりますが、この刺激を伝わりにくくするように働く薬です。
同じ痛みが続くと、神経が腫れてきて、ちょっと触っただけでも痛みが過剰に伝わるようになる、腫れをマシにすることで痛みを出にくくする、と説明してますが、本当はチョット違うんです。
以前、薬剤師の方が患者さんとして来られて、いつものようにそう説明すると、「はあっ?」って言われました。
でも、そう説明するとわかりやすいでしょ?
③中枢神経抑制剤(トラムセット、トラマール、ノルスパンテープ、モルヒネ、麻薬性鎮痛剤)
痛み刺激が脊髄を通って上へ、脳に向かいますが、脳に働いて痛みを感じにくくする薬です。
痛み止めの適切な使用
いずれも痛みをなくしてしまう、というよりも痛みの信号を感じにくくさせているだけで、痛みの原因は変わりません。
痛みを感じにくくなるために、治ったと感じているだけの話です。
強すぎる痛みが続くと、余計におかしなことが起こってくることにもなるので、痛み止めは必要なものですが、対症療法に過ぎないことを理解して使いましょう
まとめ
カラダにとっては、痛みは危険信号でもあり、その信号をごまかして、痛みを感じにくい状態を作り続けると、薬が切れた時にえらいことになる、、、のは避けたいですね。