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MDT/マッケンジー法症例カンファレンス2024/6/12:③/11
ちょっと長めの導入③:腱病変の連続モデル
ここに Cook先生とPurdam先生との2009年の資料があって、
リアクティブテンディノパシーと呼ぶモデルなんですけども、
刺激に対して反応しやすい腱の障害、
ちょっとこう刺激がかかったら腱が痛くなっちゃうような状態っていうのを想定して治療を組み立ててればどうだろうかっていうような 話があります。
で、例としては、運動選手なんかが怪我から復帰したりとか、 オフシーズン明けで、いきなり高負荷の運動した時に、急に負荷がかかったことで痛みが出たような場合に、
その急な過負荷にならないように、穏やかな負荷をかけていけば、比較的速やかにね、回復するって。
その現象を見た時に、 やっぱり適正な負荷をかけていくっていうのが、その腱が絡んだ病態への介入のコツになってくる というところ。
そうすると、この私たちの悩ましい、10分以内なんて待たなくても介入ができるという発想になりました。
で、こちら、このモデルってご覧になったことってあります?皆様。
この資料って、、講習会で見るぐらいかしらね。
これ、一応モデル。MDTが椎間板モデルっていうのを昔、昔ってか今でもね、使ったりしますけど、椎間板モデルで想定したのと同じで、
腱というものに対してこういうことが起こってるんじゃないかっていうのをCook先生がちょっと整理したという図になります。
そうすると、 例えばですね、 poor functionって、これは例えば負荷をかけない状態で固定をしたりとか、あんまり運動しないとか、ご高齢でいらっしゃって、腱の状態自体がやっぱり機能がね、落ちてるような時に、急に負荷がかかると痛みを引き起こしやすくなる場合がある。
ただ、これ、まだここの部分は痛みがないという状態なんですね。
痛みがない 、で負荷をかけると、わあってなって痛みが出るところに入っていく。
腱のファンクションでですよね、 干渉性ってか、筋から、骨にくっついてるので、ある程度、ショックアブゾーバーであったりとか、ある程度の弾力性があったりとか、 急激な筋の収った弾性の組織、コラーゲンの関係で 硬くなったりってことがあって、痛みが出やすい状態から運動するので、適正な負荷じゃないと10分待たないと落ち着かないような痛みが出てきてしまう。
で、今度こちらの方は変性があるんです。
ただ、もう腱の機能は保持されてるの。
ある程度の弾力性はあるんですけども、 例えば運動、スポーツをしてますとか、ある程度テンションがかかるような、もしくは圧迫がかかるような動作がずっと続いた時に、 おそらくもう腱にはちょっとした変性が起きてて、そのままほっとくと、断裂するかもしれないよねっていう感じの状態を想定してみます。
で、さらに、断裂するかもしれないよね、なんて言った時に、その腱の弾力性が失われていくと。
この両方の病態を持ち合わせて、
痛みはないんだけども、もう断裂する可能性のある腱になっているかもしれない、
そういう状態で過負荷な運動してると、いきなり痛みが出る。
こんな感じの様子を想定していると、
過負荷が原因なんだけども、 腱自体をちゃんと正常に戻していこうとすると、ある程度のテンションであったりとか で、安静にしていてもダメなので、ある程度のテンションを
かけすぎてもダメだし、安静にしてもダメなんだけども、
適正な負荷をかけながら、腱のリモデリングを促進していくっていうのを、これは想定してます。
で、面白いのが、ここに、痛みだけっていうところがちゃんとここ書いてあって、
ここはもしかしたら、腱は痛いんだけども、実は Derangementは腰椎、頚椎のDerangementだったりして、やっぱスクリーニングは他の疾患とのスクリーニングを必要とするっていうところ。
もしくは、なんか腱のね、膠原病であったりとか、ちょっと変性と関係する、 全く違う病気であるとか、あと生物、心理社会的要因がかぶってるかもしれないっていうような感じで、別のものと、
画像上も腱は全然大丈夫なんだけど、痛みが出るっていう時には他の病気との鑑別が必要であるっていう、こういう図を
Cook先生がこうやって整理をしています。
そういう図です。ちょっと面白いなと思いました、これ。
そうすると、私たちが「腱」、と一言で言ってるものが、実はいろんな病態を持ち合わせていて、 負荷に対して痛みを出すのか出さないのか、痛みなかったのに運動会でばっと走ったら切れちゃったとか、
そういったようなものに繋がってくるかなと思います。