1.五十肩とは？

五十肩とは、50歳を過ぎた頃から起こりやすい肩の痛みや動きの制限を指します。原因は明確ではないものの、肩周囲の軟部組織が微細に損傷したりすることで、炎症や癒着、拘縮が進行し症状が現れます。
何万本とある筋肉の線維のうちの何本かが切れて、でも修復されて、を繰り返すことで、組織自体が固く変化し、動かなくなる のだと。完全にブチっと切れているわけではないですから、画像の検査には、ハッキリした異常が認められないものが五十肩、と患者さんには説明しています。

◎主な症状と特徴

• 肩の痛みと動きの制限
• 肩を挙げたり、背中に手を回したりする動作が困難になる
• 痛みが日中だけでなく、夜間にも生じることがある
• 肩関節が動きにくくなり、日常生活に支障が出る

◎注意点

• 五十肩と言われていても、腱板断裂などの明確な異常が隠れている場合があります。そのため、正確な診断が重要です。

2.当院の診断と治療法

中野整形外科では、五十肩の治療において患者さま一人ひとりの状態に合わせた診断と治療を行っています。

◎専門的な診断

• まず肩の状態をよく観察し、手で触れたり、関節を動かしてみたりすることで、痛みや不調の原因を探します。
• 超音波検査では、断裂の有無を確認し、他の疾患との鑑別を行います。
• レントゲンでは骨の変形のほか、動かした状態での撮影にて、動き方のチェックを行います。
• このような検査を通じて、どのような治療が必要なのかを考え、最適な方法を提案します。

◎医師による治療

★注射治療

• 肩の炎症を軽減させるステロイド注射
• 筋肉を動きやすくするハイドロリリース
• エコーガイド下でのブロック注射

★薬の処方

• 症状に応じた痛み止めや複数の処方を提案
• 状態に応じた漢方薬の処方

★安静の指示

• 当院では安静だけが問題解決の全てではないと考えています
• 安静を保ちながらも、必要最低限の動きを続けることで、拘縮を防ぐよう指導します。

3.当院リハビリによる治療

★運動療法

「自分で動いて自分で治す」方法をマンツーマンで指導します。肩だけでなく体の使い方や動かし方の悪い癖が関係していることが多いため、まずは、肩甲骨を含めた背骨の動きや硬さに着目したセルフエクササイズをオーダーメイドで個別指導。背骨へのアプローチのみで肩の症状が変化することも、少なくありません。背骨だけで解決できないものに対し、肩関節自体のアプローチへと進んでいきます。

★物理療法、マッサージ

当院では実施いたしません。根本解決を目指した運動療法の提供を強みとしています。

YouTubeや書籍の様に「こんな運動があります！」と、具体例をお伝えしたいところですが、五十肩の症状は個人によって異なります。同じ疾患名でも原因や症状が異なるため、無責任な情報提供は控えています。正確な診断と評価を行い、あなたに最適な運動プランをご提案しますので、ぜひ当院へお越しください。

4.手術の必要性について

五十肩は基本的に保存的治療で改善が見込まれる疾患です。当院ではリハビリや注射治療を優先し、症状の改善を目指します。稀に、重度の症状で手術が必要になる場合もありますが、その適応も慎重に判断されます。

5.よくある質問

Q.五十肩は放置しても治りますか？
A.五十肩は自然に治ることもありますが、治るまでに数年かかる場合もあります。適切な治療を受けることで、痛みの軽減や回復のスピードが早まることが期待できます。

Q.リハビリはどれくらい通う必要がありますか？
A.症状の程度によりますが、リハビリに週1～2回通っていただくことを推奨しています。