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マッケンジー先生自叙伝 Against the tide:22

自分の仕事の意義とは何なのか、なんのために仕事をしてるのか?

その上で自らが寄って立つ地盤も固めんとあきません。

政治的な駆け引きも大事だというのもうなづけます。

理想だけでは、飯食えん、いうことでしょうか。

私も実感しております、マッケンジー先生。

でも、理想がないと希望もないですもんね。

 

私のクリニックは急に大規模になって、長い時間働かんならんようになりました。

もし腰痛がひどくて、ベットから起き上がれないような状態になっているような患者さんがおったら、クリニックでの仕事が終わってから患者さんの自宅まで往診するようにしてました。そのサービスは患者さんからも、主治医の先生からも喜ばれて、さらに紹介患者さんを回してもらえるようになりましたわ。

友人で、仕事の同僚でもあるキース・リットンは戦争中、空軍におったんです。除隊したあとに開業してましたが、そらもう、よう繁昌してました。

私らはよう患者さんや、治療方法のことなんかについて、新しいアイデアや、なにが正しいんか、そして間違うとるのんか、理学療法士学会についてですけどね、そんなことを会える時にはできるだけ一緒になって話合うてました。

キースは1950年代末にニュージーランドの理学療法士学会の会長に選ばれ、学会の方向性に多大な変化を引きおこすことになったんです。理学療法士っちゅう職業の専門性とはなんなんや、とかいろんなことについて指針を打ち出しました。

彼も私も、理学療法士っちゅうもんの、一般の人らの受けとめられ方を変えていかなあかんよなあ、いう点で意見は合うてました。

ほとんどのセラピストが一般病院勤めをしていて、学会の方針やらなんやらは、病院勤めのセラピストの興味の赴くまま、いうような調子やったんです。キースのおかげでクリニックを開業してるセラピストの地位が上がりましたわな。

キースは厚生大臣へも太いパイプを持っていて、政府が統制している診療報酬を引き上げる根回しなんかもしてましたんや。タイガイ彼が頑張ってくれてたんで、学会は彼を開業しているセラピストの代表として、現場の声を届けるのや、いうて政府と交渉する役に抜擢してましたわ。

私はキースから、なんやかや影響を受けました。日々の診療以外にも、政治的な駆け引きしていくことも大事なんやと教えられましたわ。

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