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大腿四頭筋訓練で、全ての膝痛が治る? 保険の再審査顛末。
健康保険での診療は何でも自由に出来るわけではありません。
私らのやっていることは保険者に査定されて、時に不適合として突き返されることがあります。
突き返されたものが覆らないと、私らがそれを自己負担せんとあかんようになるので、査定されないように注意し、厚生労働省から指導される内容を守らんとやっていけないような仕組みになっています。
うちは運動器リハビリテーションを診療の大黒柱に考えているので、運動器リハビリテーションでの収入が生命線なのですが、それが数ヶ月つづけて査定されてきたのです。
リハビリの料金は時間によって決まります。1単位が20分。時間がかかり、40分かかるなら2単位と請求するわけですが、査定された審査の先生からはそれが「過剰な診療だ」と指摘されたのです。
最初の査定は80歳の方で変形性膝関節症との病名をつけていました。
80歳の人に2単位という時間をつかって、それも変形性関節症というような、「年やからシャーないデショ」という診断名をつけているものですから、過剰な診療をしていると判断されたのかと私も考えていました。
といっても、この方、ボーリングが趣味で、ボーリングする際の膝の痛みを主訴に来られたんですけどね。変形した関節が原因の痛みというよりも、膝の周りの筋肉のこわばりなどでうまく膝が動いてくれないことが原因となる痛みとなっている方でした。
高年齢の方で慢性疾患の病名をつけたのだから、こんなこともあるかと高をくくっていたら、次の月には変形性膝関節症病名の53歳の膝痛の方、63歳の腰椎椎間板症病名の腰痛の方も2単位を算定したのを過剰な診療だと査定されてかえってきました。
これじゃあ、たまらない、と保険者に再審査請求をして、審査の先生に面談を申し込みました。
以前から、兵庫県ではリハビリテーションが1単位でしか通らない、といわれてきており、うちも1単位を主体に算定してきたのですが、他県の理学療法士の先生方と話をすると、嘘でしょう、とずっと驚かれてきていました。「ちゃんと、かかった時間は請求して、なんのお咎めもないですけどねえ」、と隣県である大阪府、岡山県にお勤めの先生方からは言われます。
そのほかにも、北海道宮崎県宮城県秋田県埼玉県栃木県東京都静岡県石川県愛知県広島県山口県福岡県大分県佐賀県長崎県熊本県鹿児島県にお勤めの先生方からも何故だ、との反応があり、問われた私には分かりません、と答えるしかありませんでした。
しっかりと患者さんに対応した結果、かかった時間分はちゃんと請求して然るべきだと思うようになり、2単位の時間がかかったものは2単位を請求するようになった結果が、査定されて返戻となるのですから、これは戦うしかないでしょう。
どういう考えで審査の先生方がリハビリの点数を査定されているのか、その理由がこのたびやっとクリアになるのだ、との想いで面談に望みました。
(この項、つづく)