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大腿四頭筋訓練で、すべての膝痛が治る? 保険の再審査顛末、つづき
面談いただいた審査の先生は二人(この方々が直接、当院の審査をされたのかどうかは、私には分かりません)、事務職員の方が一人。
まずは70歳台とおぼしき、おそらく整形外科で開業されている先生でしょうか、開口一番に、「あなた、評価というけどねえ、月一回評価料をとっているわけでしょう」、だと。
前もって、2単位の時間がかかる理由として、「リハビリテーションのなかで、本人の自覚症状の変化、体の動き方の変化、実際の運動負荷の結果確認(運動前後の症状、体の動きの変化の確認)を詳細に行い、現在課題としている運動負荷メニューの妥当性を毎回、受診時にDr,PTの両方で検討しています。」という付言書をつけていたわけですが、それに対してそのような疑問が出てくるようなのです。
うちは確かに月一回、評価料を算定しています。現在の状態、リハで指導されている内容を患者さんと共に確認し評価料を算定させてもらっているのです。
そう言われるなら、じゃあ、毎回の患者さんの状態は評価をしなくてもいいのか?
指導した運動メニューを患者さんにやってもらって、問題ない場合はないならないでも良いかもしれませんが、よくない結果で帰ってこられたときは評価はしないのか?
そう感じたので、その旨を伝えると、
指導ってね、例えば膝だと大腿四頭筋訓練を教える、とそういうことでしょ、そんな指導をして何度も毎回評価する必要があるのか、と言われるのです。
膝痛に大腿四頭筋訓練って、20-30年前のリハビリテーションの考え方じゃあないので、それだけで症状が治るなら、私らこんなに苦労しませんって、とあまりの返答にショックを受けながらも、口には出さず、「四頭筋訓練は日整会が膝痛に勧める運動でもありますが、今の時代、それだけで膝の痛みが治ると思っている理学療法士はいないと思いますし、それだけの対処で済まされていることなどないと思います、先生、失礼ですが、先生の診療では実際、運動器リハを行われているのでしょうか」、と問うと、、、、
憮然として、運動器リハをやってます。私は大腿四頭筋訓練で全ての膝の痛みが治ると思っています、と決然と言い放たれるのです。
コレでは、話しになりません。
運動指導した内容で調子がよくない状態で患者さんが戻られてくると、なぜよくないのかを考えますし、指導した内容のやり方を正しくやってもらっているのかをまず確認、ちゃんと出来ていて、しかも調子がよろしくないなら、当方が指導した内容に問題があるので、それを変えなければいけません、その評価、指導には時間がかかって当然ではないでしょうか、と水掛け論のようになりかけたところ、もう一方の先生が割って入られました。
いくつかのやりとりを繰り替えして、当方の請求した2単位という時間が過剰だと判断される根拠を示していただきたい、と話しを振ると、、、
実際のところかかった時間が長いか短いかを妥当だと判断できるヒトはいないんです、と。ただ、兵庫県の場合、以前に生活保護の患者さんなどを集めて、非常に過剰といえるリハビリ請求をされたケースがあり問題となったのだと。そういう経緯で、慢性疾患病名での運動器リハビリ適応は1単位として算定することになったのだと。
他県で認められていて兵庫県では何故ダメなのかといわれても、他の案件ではその逆のケースもあり、単に運動器リハは兵庫県ではそういう扱いになっているのです、という回答でした。
当院近くの内科の先生で、柔道整復士を雇ってマッサージ施術をさせて、みなしPTとして運動器リハの請求をされている方がおられます。そこに通院されている患者さんが当院に来られる場合もあり、話しを聞いていると、あそこでリハビリしてもらって、、と。
そんなモン、リハビリと呼んだらあかんやないか、と心で叫んで顔では笑顔(ゆがんだ笑顔でしたでしょう、おそらく)。
整形外科の先生でも同じようなことをされている方もおられます。
うちの大学の同門の先輩でも、私が研修医のころ、非常に厳しくご指導いただいた先生が、開業されるとどうもそのようなことをされているようで、なんだかがっくりしたことがありました。
リハビリ、という言葉が安易に使われている現状はどうなのか。
単にマッサージして、温めて、引っ張って、、、慰安行為をリハビリと称するのを、なんとかできないもんでしょうか。
結局、再審査の結果は合議制なので、月末にまた結果を知らせる、ということになり、30分程度、と予定された面談はものの10数分での幕切れとなりました。
で、届いた再審査結果はというと、、、原審どおりだとのこと。
エエ加減にしてください。ほな、さいならあああって、なんなんでしょう、それって。
でも、それ以降、2単位で請求しても削られてくることが(今のトコロは)なくなっていまして、時間がかかった理由を、面倒でもしっかりコメントをつけるようにして、必要なものは粛々と行い、正当な事由でかかった時間分は、ちゃんと請求を続けるようにしようと日々診療をつづけている今日この頃なのでした。