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マッケンジー先生自叙伝:Against the tide 51

マッケンジー先生、家を建てる。家族と7年かけて、というので、まあ気の長い話で。

家族と畑仕事に鶏小屋で新鮮卵、

ニュージーランドにはそういう時間が流れているのでしょうか。

豊かな生活あってこそ、仕事も頑張れるってもんでしょうしね。

では、師匠、どうぞ。

 

End Farmにある、その新しい家には翌年引っ越しまして、家が建っておる砂丘の起伏に沿ってレンガの壁を作りはじめました。

テニス肘と手にできたタコが、この労働のたまものであり、完成するまで7年かかりました。

Janは今、Wellingtonで友達と一緒に住んでます。。

Davidは農業学校の研修を終えて、養鶏場の管理をしてますわ。

AlisterとAndrewはWaikanaeの学校に通うてます。

West Highland White Terrier犬をもらって、Rosieと名付け、農場で一緒に暮らしてますんや。

Joyと私とは多くの時間を庭いじりと畑作業に捧げてましたわ。

松やらユ-カリの木をたくさん植えてました。

倒木に覆われた広大な土地があっても、新たに植物を植えられるようにするには、まずは片づけんとあきません。

ニワトリ小屋があって、いつも新鮮な卵がとれました。

レ-ス用のハトの飼育小屋もありましたんやで。

農場の倒木やら藪やらを片づけるために、古いFergusonトラクタ-を買いました。

1950年製の年代モノですわ。

ギアやらフットブレ-キなんかは擦り切れてまして、とても大丈夫というようなモンやなかったですけどね。

そいつに木の株なんかをロ-プで結んで、引っこ抜いたりしたもんを燃やして、焚き火なんかをしてましたわなぁ。

ある日、たまたま丸太を運ぼうと丘の上にいた時に、大きな枝が前輪にはさまり込んでるのに気づきましてん。

トラクタ-を停めて車輪の下から枝を引き抜いてやろうとしましてん。

はじめはびくともせんかったのが、前に後ろにと動かしとるうちに段々ゆるんできましてんわ。

腰に差し込むような痛みが出てきてましたんやけど、もうここでやめるワケにもいかんですがな。

ついに枝がはずれた時、最後に引っ張った瞬間に腰に激痛が走り、私は地べたへ倒れこんでしまいましたんや。

立とうとしても痛みが強いんで、落ち着くまで横になっとった方がエエかと思てました。

トラクタ-から何や、音が聞こえて、見上げるとゆっくり揺れるようにトラクタ-が私に向かってバックしてくるやないですか。

枝で支えられて止まっとったんが、枝をよけたさかいに動き出しよったんですわ。

なんとかよけようとしましてんけどあきません。腰が痛うて、体が動きませんのですわ。

さあ、そんなこと言うてられん、今こそ処方箋通りやってみる時ですがな。

上体反らしを2回、3回としてみて、またトラクタ-の方を見ますと、、

あれまあ、どんどん近づいてきますやんか。

パニックになりつつも、さらに上体反らしを続けて、腹這いの状態でその1トンの怪物の進路からなんとか逃れましたんや。

トラクターは急に速度を速めて斜面の下まで行くと、そこでやっと停まりよりましたわ。

そうやって、私にとって初めての腰痛体験は長く続くこともなく、24時間以内にスッキリ痛みがなくなりました。

Joyは野菜を作り、綿を紡いで織るようになりました。

彼女が編んだセ-タ-を欲しがる人は多く、今でも友人連中やら家族やらで愛用してますのや。

私らはこのEnd Farmでの生活を謳歌してました。

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