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巻き爪/嵌入爪治療の麻酔について:麻酔の壁、注射キライ
長らく、東先生のアクリル人工爪と超弾性ワイヤーでの爪矯正を2本柱に、そこにコットンパッキング、ガター法(tube splinting)などを混ぜ込んだりして数々の難敵、巻き爪/嵌入爪に対処してきました。
ほかの方法を求めることがなかったのは、それだけで、ほぼすべての状態に対応可能で、臨床上困ることはなかったからです。
しかし気になっていたのは、麻酔の壁でした。
爪にワイヤーを設置するのは麻酔なしで楽々です。
だって、爪には神経、通ってないですから、巻いてるのを伸ばしたり、爪に孔をあけたりしても全く痛みなしで施術可能です。
問題はアクリル人工爪、たいていこれをやろうという状況は、爪が刺さった皮膚の部分に肉芽が盛り上がっていたり、腫れた皮膚の中に切り残した爪が残っていたり(爪刺といいます)と、まあ、痛みが強いから、「触らんといてえっ!!」というような状態で来院されているので、本当に触ることさえさせてくれない。
触ろうとすると、スッと足をひっこめられたりするんです。
痛みを何とかしないと治療も前に進めないので、麻酔を、ということになるのは自然な流れですね。
でもこの麻酔がすごおく痛いんじゃないのって皆さん躊躇されます。
知人からそのように聞いておられるのか、webにそのような情報が転がっているのか?
どうぞ、やってください、と腹をくくって来院される方は、ごく少数、まあ皆無に近いといってもいいくらいです。
私は自分が足趾に注射されたことがないので、実際どれくらい痛いものなのかは、患者さんの反応から推量するしかないんですが、その反応も様々で、よくわからないんです。
あっっ、、、、、でもこれくらいなんですね、、というマイルドな方から、
うぉぉぉおっぉぉ、こぉれえ!今までの人生で一番、つらいっス!!というようなハードな方までさまざま。
同じ人(私です)が同じ手法で、同じ内容の麻酔薬を注射しているのにこの振れ幅はなんなのか?これは長らく、私にとっても謎でした。
でも、まあ、しょうがないことなんだろうなあ、必要悪ザンショって、あきらめもありましたし、とりたててその問題について深く考えることなく、でもなんだかなあ、、との千々に乱れる想いで日々注射し続けていたのでありました。
ある時、ペインクリニックをやっている知人と話していて、湿潤療法で有名な夏井睦先生の「痛くない指趾の局所麻酔法」というのを教えてもらいました。
夏井先生のホームページにも先生ご自身の解説で紹介されています。
痛くない指趾の局所麻酔法
www.wound-treatment.jp/wound103.htm
これが、大当たりで、、、
初めてこれを試させていただいた患者さんからは、(当然、本人の承諾を得て、ですよ)、
これ、全く痛くない!今まで他の施設で受けてきた麻酔が嘘みたいです、はじめはチクッとしますけど、それはまあ、しゃあないですね、
とのコメントをいただきました。
それからは、足趾の麻酔はこれ一本。
おおむね好評だと思っていますが、
患者さん、私に気を遣って本当のことを言わないだけかも、、、
そんなこたあ、ないか。