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マッケンジー法®︎を正しく理解しようpart3〜知っているだけでは、越えられない三つの壁〜
最近、マッケンジー法を正しく理解してほしい一心で書き始めたブログのテーマ
「マッケンジー法を正しく理解しようシリーズ」の第三弾です。
はじめてこのシリーズのブログを読まれる方は、このブログを読まれたあとでも良いですので、わたし斉藤の過去のブログを読んでいただけると嬉しいです。
「マッケンジー法を正しく理解しようシリーズ」の第一弾
「マッケンジー法を正しく理解しようシリーズ」の第二弾
今回、お伝えしたいことはズバリ「私はマッケンジー法を知ってます」は「私はマッケンジー法で症状に対処できます」ということとイコールではないということです。
じつは、「知っている」から「できる」までには三つの壁が存在しています。
それは「行動の壁」「気づきの壁」「技術の壁」です。
今回は、この三つの壁をどのように乗り越えていくのか、お話ししていきましょう。
マッケンジー法の情報をは何で手に入れますか?
マッケンジー法という言葉を知っている方ならば、マッケンジー法関連の書籍が販売されていることや、図書館などに置いてあることは、ご存知だと思います。
またインターネット全盛期の現在、インターネットで検索すれば、YouTube動画などの情報に触れることができます。
さて、このようにマッケンジー法について情報を得る、つまり知ることは簡単になっています。
ここであなたの前に立ちはだかるのが、第一の壁「行動の壁」です。
この壁を越えない方とは「マッケンジー法を知っているけど、実際はやらない」
つまり、ノウハウコレクターの状態です
様々な治療法の情報を集めることは大事なことだと思います。
ただ、試す前に多くの情報を集めてしまうと、大抵がカジってはみるけど、早々に自分に合わないと判断しやすい傾向があるように思います。
そして、次々に違う治療法を試してしまい、結局、自分になにがあっているのかが分からなくなり、結果として路頭に迷ってしまっている方が多いように思います。
実際に、私自身もノウハウコレクターの気質がありますので、最初からあらゆる情報を集めておきたいと思う気持ちは理解できます。
ただ、理解はできますが、やはりオススメはできません。
必要以上の情報を持っているということは、非常に効率が悪いからです。
情報が多いと、頭でっかちになってしまい、次に何をすべきかなどの判断材料が多くなり、結果として、新しいことへ素直に取り組むことができなくなります。
我々が提供する運動(リハビリ)は、同じようにみえたり、感じたりすることでも少しずつ解釈が違っていたりします。
情報過多で頭でっかちになっていると、新しい情報を取り込みにくくなりますし、情報を自己解釈してしまい、最悪の場合は、悪い結果を生じてしまうこともあります。
ただでさえ、情報過多なこの世の中です。
一度、治療法をひとつに絞ってみて、徹底的に試してみてはどうでしょうか?
そして、あなたが選択したその治療法が、マッケンジー法であるならば、私としては嬉しいです。
さて「行動の壁」を飛び越えたあなたが、次にぶち当たるのが気づきの壁です。
ここからはマッケンジー法を試しているという前提でのお話をしていきます。
マッケンジー法を試していると、はじめに「気づく」のが、本当にこれやっていいの?ってことでしょう。
大抵の治療法では「痛みを出さないように治療する」ことを第一とするなか、マッケンジー法では、痛みを使いこなすことを基本とし、症状があるときに体操を行ってどのように変化するのかを検証していきます。
「えっ、痛いときに運動するの?」
そうなんです、ここがマッケンジー法を行なっていくなかで、自分ひとりで試すには難しいと「気づき」やめてしまう大きな壁だと思います。
さらに言うと、マッケンジー法では、運動実施の際に、痛みを伴うことの方が多いんです。
「痛いことやって、悪くならないのか?」
そう思われる方も多いでしょう。
でもよく思い出してみてください。
あなたは、筋トレを頑張ったあとの筋肉痛や、ストレッチしている時の伸ばされた痛みを、悪いモノだと思っていますか?
痛みといっても、その痛みが出て良いものなのか、出すべきでないのか
そこの部分をしっかりと判断することが大切になります。
「全ての痛みが、運動時に誘発したらダメなモノ」ではないことに「気づいてもらう」ここがマッケンジー最大の壁ではないかと思っています。
この壁を乗り越えるための最良の方法は何か?
やはりマッケンジー法を正しく理解している専門家「国際マッケンジー協会認定セラピスト」の在籍する医療機関にかかり、適切な指導を受けることではないでしょうか?
わたしもできる限りの情報発信は行っていくつもりですが、それでも臨床においては不十分です。
もちろん、ひとりでも十分にマッケンジー法を試すことは可能だと思っています。
ただ専門家にみてもらえば、ひとりで悩んで継続を諦めることなく「気づきの壁」を越えていけることでしょう。
さて、ここまで「行動の壁」「気づきの壁」という大きな壁を越えてこられたあなた
そんなあなたの前に立ちふさがる第三の壁が「技術の壁」です。
どんな治療においても言えることだと思いますが、最初から最後まで順風満帆にはいかないもんです。
時には効果がないこともあったり、痛みが強くなったりと紆余曲折を経て、改善への階段を上っていくことでしょう。
この変化がなかったり、悪化したりと言う時期にぶち当たるのが「技術の壁」です。
この壁をこえられず、マッケンジー法での治療を、あと一歩のところで諦めてしまう方も少なくないです。
さて、「技術の壁」とは一体なんでしょうか?
再び、マッケンジー法を試しているという前提でお話をさせていただきます。
マッケンジー法の体操には基本の型があります。
ただ基本の型だけで、全てがうまくいくとは限りません。
時には、方法を調整したり、回数を変えたりと、書籍やYouTubeでは語れない、その人その人で異なる「体操の工夫」=「技術」というものが必要なことがあります。
このような体操に関する工夫や専門家により助言が「技術の壁」を越えるためには必要になってくる場合があります。
しかしながら臨床の中で、この壁を自力で乗り越え、私を驚かしてくれる患者さんも少なくないです。
私も、そんな患者さんから、新たな運動方法などを学ばせていただき、他の人に還元しています。
こればかりは「巷にある情報だけでマッケンジー法を実践されている方」「マッケンジー法を気が向いた時にしか行っていない方」には真似できないことだと思っています。
なぜならば、専門家と何回も関わって、自分の症状や運動時の反応と真摯に向き合ってきたからこそ、最適な運動方法に「気づき」それが「技術」となって現れてるからだと思うからです。
ここまで「私はマッケンジー法を知ってます」から「私はマッケンジー法で症状に対処できます」までに存在する、三つの壁についてお話ししてきました。
ただ、マッケンジー法において、実は最後にもう一つ大切な、しかし越えにくい壁があります。
それは「習慣の壁」です。
マッケンジー法を適切に実践していると、「症状はあっても生活の場面では困らない」といったステージに至ることがあります。
そのステージでは、生活で困らないため、定期的に行っていた運動から遠ざかっていってしまう方が多くいます。
「困っていないのだから、別にいいでしょ」
たしかに、あなたがそう自分で判断し、決断したのであれば、わたしには何も言えません。
ただし、そんなあなたに、覚えておいてほしいことがあります。
困らないからといって、中途半端な状態で放っておくと、再発しちゃいますよってこと。
マッケンジー法での対処を行い始めたころよりは状態が良くなっていることでしょう。
ただし、症状がなくなっていないにも関わらず、その症状を管理すべく実施している運動をやめてしまうということは、爆弾の導火線に火がついた状態で、まだ大丈夫といって、見て見ぬ振りをしているのと同じですよ。
もう少し現実的なたとえでいうと、庭などにある雑草でしょうか。
雑草は生命力が強いので、根っこから抜かないと、再び育ってしまう厄介な存在です。
その生命力やタフさは見習いたいものですが、、、
草刈機できれいに刈り取った状態が、まさに「困らないけど症状はある状態」です。
表面上はキレイに刈ったとしても、根っこが残ってしまっているので、時間が経てばまた育ってしまいます。
つまり再発です。
「再発しても、また運動すれば良いだけでしょ」
そう思われるかもしれませんが、、、、
雑草ならそれで構いません。
ただし、人間の体はそう上手くはいかないんです。
再発を繰り返すうちに、傷口は広がり、治りにくくなってきます。
同じ運動をしても少しは変化するけど、以前のようには改善しないなんてことも普通に起こります。
ここまで言えば、お分かりでしょうか?
そうです、マッケンジー法の最大の壁は、症状が再発しないように運動を継続して行うこと
つまり「継続の壁」なんです。
最後に「継続の壁」をあなたが越えるためのアドバイスしたいと思います。
それは「毎日行っている行動にくっつけて運動を行う」です。
「歯磨き」「洗面」「食事」「トイレに行く」などなど、意識してみれば沢山あるはずです。
ぜひとも、試してください。
運動の習慣化について、もう少し詳しく書いた、わたしのブログがありますので、よかったらこちらもご覧ください。
運動を習慣にする鍵はマンネリ!脳をだまして三日坊主を克服しよう!
https://www.nakanoseikei.com/2018/12/02/undo-syukan-kagi-manneri/