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MDT/マッケンジー法症例検討会 9月②:腰野さん、問診票から考えること
で、次ですね。
和気あいあいと私たち、MDTの治療の良さってのは、対話をしながら患者さんと、心を引っ張っていくとか、そういったもので、互いに築き上げていく治療ではあるんですけども、おしゃべりをしたりとか、対話をしたりとかっていう和やかな中にも、
自分たちの頭の中には、次は何しよう、コレをしようって、もう頭の中ではいろんな戦いがね、 繰り広げられるべきっていうのが、理学療法士がプロフェッショナルであることの所以かなと思います。
その中で、追加の質問するときに、自転車なんかどうって、ただ単におしゃべりで聞くんじゃなくて、
何を聞こうとしてその話題を振ってるかっていうのは、ちゃんと目的を持っていたい。
お家のご飯何作ってんの?でもいいけれども、じゃあその材料買いに行くのは誰がやってんだろう?とかって探ったりとか、
その和やかな会話のおしゃべりの中に、やっぱり評価っていうものしっかり持っていきたいなっていうメッセージとして、ちょっと1枚スライドはさみました。
歩行時の痛みはいつものね。同じくらいの距離や時間で痛みが出てきますかって聞いてみると、
患者さん、腰野サンね、 最初の何歩かは歩けるんだけど、何歩か歩いてるうちに出てきます。
痛みが出るまでに15分から20分ぐらいかかる ことがあります。
最初のうち痛いって言ってみたりとか、痛みが出るまでに15分とか20分かかることがあったりとか、これ、狭窄症の典型的かどうかっていうのはちょっと薄くなりますかね。これ。
ある程度の一定の時間で痛い、 一定の距離で痛いっていうパターンと考えます。
MDTの狭窄症って、決まった 負荷で必ず痛くなるみたいな感じで捉えると、ちょっとDerangementの色がね、しっかりと濃く出てきましたよね。
歩幅によって症状に違いがありますか?と尋ねると
「大股でも小股でも違いありません」 こうなると、股関節であったり膝であったりとかね、 あの、足のアーチがどうのこうのの影響なんて全く関係ないわけ。
こんな感じで出てきます。
歩行時のこういったね、症状が除外できる分類がありますかって、私さっき言っちゃったような気がするんですけども、 どうでしょう、これ、狭窄症っていうのはちょっと分類にパターンが一致してないので、 分類の候補のトップに持ってかないで、ちょっと後ろに下がっといてくださいね、後でなんかあったら呼びますよぐらいでいいですよね。
もうこうなったら、Derangementで行きましょうよっていう感じになってきます。
で、Derangementって思えてきたら、今度は確認したいものはDerangementで あることのね、証明をしたいわけですから、下肢の痛みと腰の突っ張った感じって関係してると思いますか?って聞いてみると、「 足が痛い時に腰の突っ張りもあります」…ヨッシャー!もらった!って感じになってきますね。 でも、これで決めつけないんですよ。
ディレンジメント候補の箱に玉入れのボールをポーンと入れていきます。
「立ち上がる時にも痛みがあります」
立ち上がる時に痛いって言ったら、 どういう姿勢からどういう姿勢に移る時に痛い?
Derangementの匂いがしますね。ボール入れたいですね。
ま、Derangementくさいな、と思いながらさらに聞いていきます。
で、追加の質問がしたいんですけど、 立ち上がる時にも痛みが出ることがありますって聞いた時に、この情報から 何を想定しますでしょうか?
ある一定の方向から次の動作に入る時に、 逆方向に症状が出るcurve reversalっていう、表現を使っていますよね。
カーブは動きのね、弧を描くようなイメージ、リバーサルってのはその逆方向ってことになるんですけど、
これが出てくると、DerangementにとってはDPを示唆するっていう、 すごいゴッツァーンな感じなんですね。
ここで、ぬか喜びをせずに、Derangementである可能性が強いなと思いながら、 ホクホクとね、次に進んでいきます。
この時点で、なんですけども、これで重篤な病気を、病態を疑わせる指標って、この腰野さんには、ありますでしょうか?
この辺、お薬の治療中ですなんて問診票で書かれると、一応確認してることってあります?
今回はね、血圧、高脂血症の薬ってなってるんですけども、
患者さんによってはね、大事な薬隠してたりすることもあったりするんで、
血糖降下薬に関しては、何を飲んでるのかっていうのは、ちょっとね、運動をするので、お昼ご飯が近い時間帯なんかにかかっちゃったりすると、ちょっと確認しなきゃいけない。
SU薬だか飲んでるね、注射なんかね、してるような人がいないかっていうのは、セラピスト側はちょっと気にしましょう。
さて、糖尿病、これ…
現時点ではないんだけども、2型の糖尿病っていうのは、腰下肢痛の評価と治療なんかの関係がありますでしょうか?なんか、 こういうのって聞いたことありますか?
糖尿病自体って、血糖値が高くなるとかっていうよりも、糖尿病ってやっぱりその細かい血管の病気って思っていいと思うので、末梢循環ってか、その、 で、神経を栄養してる血管っていうものに栄養が行きづらいってことになると、痛みを出すね、末梢神経なんかは ちょっと回復に時間がかかるなっていう傾向があるそうです。
で、ちょっと資料ちょいちょい読みましたけど、
いわゆるポリモーダル受容器って、外的な刺激を受けるところの神経、ぽそぽそとした、 ひじきみたいになってる神経のところの、血管の 循環が悪かったりするってことで、糖尿病の方の神経障害がね、出ることがありますよっていう話。
この腰野さんの場合は末梢だけにね、手足に痛みが出はないんですけども、年齢的なものであったりとか、高脂血症もある、高血圧もある。
うん、糖尿病なら発症から何年経過しているのだろう?とか。A1cどれぐらいだろうかとか、そういうのを考えると、Derangementっぽくても、ぬか喜びできない。
すごく実は時間がかかる人だったってことがあるので、 反応ももしかしたら乏しいかもしれないですね。
ちょっとした動きだけじゃ良くならないかもしれないっていうところで、 一喜一憂しないで、時間をかけて見なきゃいけない人かもしれないっていう、ちょっと心積もりするためにこの情報を使います。
ここまででご質問ありますか?大丈夫ですか。こんな感じで進めてて。