1.アキレス腱炎・周囲炎とは？

アキレス腱炎は、アキレス腱そのものに炎症が生じる疾患で、アキレス腱周囲炎はその周囲の組織に炎症が起こる状態です。ふくらはぎの筋肉（下腿三頭筋）がアキレス腱を介して足首を動かす際、過剰な負荷が加わることで発症します。

◎主な症状と特徴

• アキレス腱やその周囲に痛み、腫れ、圧痛
• 動作時（特に歩行やジャンプ時）の違和感や痛み
• 症状が進行すると朝起きたときのこわばり感

◎注意点

• 炎症を放置すると、アキレス腱の部分断裂や完全断裂に進行するリスクがあります。

2.当院の診断と治療法

◎専門的な診断

• まず足の状態をよく観察し、手で触れたり、関節を動かしてみたりすることで、痛みや不調の原因を探します。
• 超音波検査では、腱やその周囲の組織の炎症や損傷の程度を確認し、他の疾患との鑑別を行います。
• レントゲンでは骨の変形のほか、動かした状態での撮影にて、動き方のチェックを行います。
• このような検査を通じて、どのような治療が必要なのかを考え、最適な方法を提案します。

◎Dr.による治療

★注射治療

• 痛みや炎症を抑えるエコーガイド下でのステロイド注射
• アキレス腱周囲の組織の状態を変えるハイドロリリース

★薬の処方

• 症状に応じた痛み止めや複数の処方を提案
• 必要に応じて漢方薬を活用し、体質改善をサポート

★安静の指示

• 当院では安静だけが問題解決の全てではないと考えています
• 必要最低限の安静を指示しつつ、できるだけ早期にリハビリを実施し、二次障害を防ぎます。

3.当院リハビリによる治療

★運動療法

「自分で動いて自分で治す」方法をマンツーマンで指導します。アキレス腱付近だけではなく、体全体の使い方の癖が関係していることが多いため、まずは腰にある背骨の動きや硬さに着目したセルフエクササイズをオーダーメイドで個別指導。背骨へのアプローチのみでアキレス腱の症状が変化することも、少なくありません。背骨だけで解決できないものに対し、足首自体のアプローチへと進んでいきます。

★物理療法、マッサージ

当院では実施いたしません。根本解決を目指した運動療法の提供を強みとしています。

YouTubeや書籍の様に「こんな運動があります！」と、具体例をお伝えしたいところですが、アキレス腱炎・周囲炎の症状は個人によって異なります。同じ疾患名でも原因や症状が異なるため、無責任な情報提供は控えています。正確な診断と評価を行い、あなたに最適な運動プランをご提案しますので、ぜひ当院へお越しください。

4.手術の必要性について

アキレス腱炎や周囲炎は、ほとんどの場合保存療法で症状が改善します。ただし、炎症が進行して腱が断裂している場合や、症状が慢性化している場合には手術を検討します。当院では、慎重に症状を評価し、患者さまに最適な治療法を提案します。

5.よくある質問

Q.アキレス腱炎は放置しても治りますか？
A.軽度であれば自然に治癒することもありますが、放置すると症状が悪化し、断裂のリスクが高まります。

Q.リハビリはどれくらいの頻度で通う必要がありますか？
A.症状の程度によりますが、リハビリに週１～２回通っていただくことを推奨しています。