1.母指CM関節症とは？

母指CM関節症は、親指の付け根にあるCM関節（母指の中手骨と手根骨が接する関節）の靭帯がゆるみ、関節が不安定になることで軟骨が摩耗し、変形や亜脱臼が生じる疾患です。変形性関節症の一種とされます。

◎主な症状と特徴

• 親指の付け根に痛みが出る
• 「握る」「つまむ」といった動作で痛みが強くなる
• 関節が変形し、動きが制限される場合がある

◎注意点

• 母指CM関節症は放置すると関節の変形が進行し、症状が悪化することがあります。早期の治療が重要です。

2.当院の診断と治療法

◎専門的な診断

• まず母指の状態をよく観察し、手で触れたり、関節を動かしてみたりすることで、痛みや不調の原因を探します。
• 超音波検査では、関節の状態や靭帯のゆるみの程度を詳しく確認します。
• レントゲンでは骨の変形のほか、動かした状態での撮影にて、動き方のチェックを行います。
• このような検査を通じて、どのような治療が必要なのかを考え、最適な方法を提案します。

◎Dr.による治療

★注射治療

• 関節内の炎症を抑えるエコーガイド下でのステロイド注射
• 痛みを軽減し、関節の動きを改善します

★薬の処方

• 症状に応じた痛み止めや抗炎症薬など複数の処方を提案
• 状態に応じた漢方薬を活用し、体質改善をサポート

★安静の指示

• 母指の安静のため装具を処方することもあります
• ただ当院では安静だけが問題解決の全てではないと考えています
• 必要最低限の安静を指示しつつ、できるだけ早期にリハビリを実施し、二次障害を防ぎます。

3.当院リハビリによる治療

★運動療法

「自分で動いて自分で治す」方法をマンツーマンで指導します。親指だけではなく、体全体の使い方の癖が関係していることが多いため、肩甲骨や背骨の動きや硬さに着目したセルフエクササイズをオーダーメイドで個別指導。背骨へのアプローチのみで母指の症状が変化することも、少なくありません。背骨だけで解決できないものに対し、手指の関節自体のアプローチへと進んでいきます。

★物理療法、マッサージ

当院では実施いたしません。根本解決を目指した運動療法の提供を強みとしています。

YouTubeや書籍の様に「こんな運動があります！」と、具体例をお伝えしたいところですが、母指CM関節症の症状は個人によって異なります。同じ疾患名でも原因や症状が異なるため、無責任な情報提供は控えています。正確な診断と評価を行い、あなたに最適な運動プランをご提案しますので、ぜひ当院へお越しください。

4.手術の必要性について

母指CM関節症は、多くの場合保存的治療（リハビリや注射、装具治療）で症状が改善します。ただし、症状が重度で関節の変形が進行している場合には、手術が必要になることもあります。当院では、患者さまの状態を慎重に評価し、最適な治療法を提案します。

5.よくある質問

Q.母指CM関節症は自然に治りますか？
A.症状が軽度の場合、安静や適切なリハビリで改善することがありますが、進行した場合は治療が必要です。

Q.サポーターはずっと使う必要がありますか？
A.症状が落ち着くまで使用することを推奨しますが、リハビリの進行に伴い不要になる場合もあります。