1.肘部管症候群とは？

肘部管症候群は、肘の内側にある「肘部管」で尺骨神経が圧迫（絞扼）されたり、引っ張られたりすることで神経障害を引き起こす疾患です。 神経障害によって、手や指にしびれや筋力低下といった症状が現れます。

◎主な症状と特徴

• 小指や薬指のしびれや感覚異常
• 手や指の力が入りにくい、握力低下
• 手指の細かい動作が難しくなる

原因とリスク要因

• 神経を固定している靭帯や筋肉による圧迫
• 加齢による骨の変形
• スポーツや重労働による繰り返しの刺激
• 小児期の骨折が原因で生じた骨の変形

2.当院の診断と治療法

中野整形外科では、肘部管症候群に対して、症状の原因を正確に見極めるための診断と、患者さま一人ひとりに合わせた治療を提供しています。

◎専門的な診断

• まず肘の状態をよく観察し、手で触れたり、関節を動かしてみたりすることで、痛みや不調の原因を探します。
• 神経の状態や手指の動きを評価し、症状の原因を特定します。
• 超音波検査では、肘部管の状態や神経圧迫の有無を確認します。
• レントゲンでは骨の変形のほか、動かした状態での撮影にて、動き方のチェックを行います。
• これらの検査を通じて、どのような治療が必要なのかを考え、最適な方法を提案します。

◎Dr.による治療

★注射治療

• 神経の炎症を抑えるエコーガイド下ブロック注射
• 筋肉の緊張を緩和するハイドロリリース

★薬の処方

• 症状に応じた痛み止めや抗炎症薬など、複数の処方を提案
• 状態に合わせた漢方の処方で体質改善をサポート

★安静の指示

• 当院では安静だけが問題解決の全てではないと考え、必要最低限の安静を指示しつつ、できるだけ早期にリハビリを実施して二次障害を防ぎます。

3.当院リハビリによる治療

★運動療法

「自分で動いて自分で治す」方法をマンツーマンで指導します。肘だけではなく、体全体の使い方の悪い癖が関係していることが多いため、肩甲骨や背骨の動きや硬さに着目したセルフエクササイズをオーダーメイドで個別指導します。 背骨へのアプローチのみで肘の症状が変化することも、少なくありません。 背骨だけで解決できない場合は、肘関節自体のアプローチへと進んでいきます。

★物理療法、マッサージ

当院では実施いたしません。根本解決を目指した運動療法の提供を強みとしています.

YouTubeや書籍の様に「こんな運動があります！」と具体例をお伝えしたいところですが、肘部管症候群の症状は個人によって異なるため、無責任な情報提供は控えています。 正確な診断と評価に基づいて、あなたに最適な運動プランをご提案しますので、ぜひ当院へお越しください.

4.手術の必要性について

肘部管症候群は、多くの場合保存的治療（リハビリや注射治療）で改善が期待できます。ただし、神経圧迫が重度で保存的治療が効果を示さない場合には、手術を検討することもあります。当院では、慎重に評価を行い、最適な治療法を提案します.

5.よくある質問

Q.肘部管症候群は自然に治りますか？
A.軽度の症状であれば自然に改善することもありますが、放置すると症状が悪化する可能性があります。早期の診断と治療が重要です.

Q.リハビリはどれくらいの頻度で通う必要がありますか？
A.症状の程度によりますが、リハビリには週１～２回通っていただくことを推奨しています.