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マッケンジー先生自叙伝:Against the tide 44
さて、まずは一息。今回は船の話題です。
マッケンジー師匠のお話にはご自身の仕事のことと、船のこと海のことが時に混ぜられるんですが、お互いの内容が微妙にリンクしてるのが魅力ですね。
人生と、そして海と。
Against the tideという題は秀逸デス。
では、師匠、どうぞ。
結婚してすぐに、私らはMarlborough海峡の入り江を訪れたことがありました。
南島の北端でsunken峡谷の広大なエリアの美しい水路であり、丘陵の斜面には1769年にCaptain James Cookがこの入り江を発見した当時のままの原生林で覆われているかのようでしたわ。
その入り江には船でしか行かれへんのです。
私は、この見事な場所へまた戻ってきたいと、ずっと思いつづけてまして、家族のためにもなるし船を買おうかとの想いが段々強なってきたんです。
Cook海峡は北島、南島を分断するように位置しており、きびしい風と高い浪になりやすいトコロなんで頑丈な船やないと,とてもたちうち出来んのです。
さあ、今こそ自慢のア-トコレクションを売りに出す時ですわ。
Joyは私にセイリングの経験がないからと、船を買うことには半信半疑でした。
海峡で荒天になったとき、セイルやらロ-プを扱って上手いことホンマに操船できるんやろか?
その答えは風の中、風の吹くまま、Joyは家族の為になることなんやったら、と理解してくれましたし、出来るだけのことはする、言うてくれました。
1970年ごろ、私がヨ-ロッパから帰ってきてガッカリしとった、ちょうどそのころですわ、理想の船やと思うような出物がありました。
40フィ-トの鋼鉄の船体で、2本のマスト、船室が2部屋でしたわ。
Cook海峡から入り江までを売り主さんの操船で試験航海したときは、最高の天候でおだやかな海、こら、買わん手はないですわな。
船での船長の動きを見ていて、帆を張って、船出するいうことは単純作業なんで、そんな難しい事でもないかも、と気付きました。
みんなは何故ヨットいうモンに対して、そないに用心深いんでっしゃろなぁ?
JoyはSundance号を見て、エエやんか、と言ってくれました。
絵をいくつかオ-クションに出品し、船を買うのに充分なお金もできました。
さあ、冒険のはじまりですわ。